近年、IoT機器を活用したスマートホームが普及し、照明やエアコン、ロボットなどを自動で制御することで、生活の利便性や快適性を向上させる取り組みが進んでいます。スマートホームでは、自動化ルール(Automation Rules)によって機器を制御します。自動化ルールは、「朝6時になったら、カーテンを自動で開ける」のように、トリガー(条件)とアクション(動作)を組み合わせて機器のふるまいを定義します。 しかし、既存のスマートホームでは、自動化ルールの設定に専門的な知識が求められることが多く、人の行動や空間の状況を条件としたルールを柔軟に作成することは容易ではありません。そのため、ユーザ自身が目的や生活スタイルに応じた自動化ルールを設計することは困難です。
そこで本研究では、スマートホームの自動化ルールをGUIや自然言語を用いて直感的に設定できるインターフェースを開発しています。たとえば、ユーザが「青い椅子に5秒間座ったら扇風機をつける」といったルールを設定すると、室内に設置したカメラで人や物体を認識し、位置関係や滞在時間などの空間情報を取得します。そして、取得した情報をもとに条件の成立を判定し、扇風機のようなIoT機器を自動で制御します。本研究を通して、専門知識の有無にかかわらず、ユーザが生活スタイルや目的に合わせた自動化ルールを直感的に作成し、自身に最適なスマートホームを実現できる環境の構築を目指しています。
過去の研究進捗
仮想オブジェクト(エリア、ライン)を用いた自動化ルールの設定
トリガーとして仮想的なオブジェクトである、何人が何秒間入ったかを計測できるエリアと、ある地点をどの方向で何人が通過したかを判定できるラインを用いることができる。空間の状態をリアルタイムで表示するマップから、エリアやラインの生成、自動化ルールの設定を直接行うことができる。
大規模言語モデルを用いた自然言語による自動化ルールの設定
ユーザは、自然言語で自動化ルールを設定することができる。ユーザが入力した文章は、大規模言語モデル(LLM)によって解析され、必要な情報が抽出される。これにより、ユーザの要望を理解し、自動化ルールとして空間に反映することが可能となる。直感的なテキスト入力だけで設定できるため、専門知識がないユーザでも容易に空間をカスタマイズできる。