研究紹介
現在の主なテーマは、1. 微生物集団の自己組織化現象と2. ソフトマターの熱流動です。
研究業績・論文リストはresearchmap又はORCiDをご覧ください。
1. 細胞や微生物の集団挙動シミュレーション
細胞や微生物は、周囲の環境との相互作用やお互いのコミュニケーションによって、大規模な協調運動やパターンを形成することが知られています。例えば、細菌のバイオフィルム形成やがん細胞の腫瘍形成などがよく知られています。このような細胞や微生物の集団挙動をシミュレーションする新しい数理モデルとその数値解析法の開発に取り組んでいます。
- Shugo YASUDA, "Monte Carlo simulation for kinetic chemotaxis model: An ap-plication to the traveling population wave", J. Comput. Phys. 330, pp. 1022–1042 (2017).
- Vincent CALVEZ, Benoît PERTHAME, and Shugo YASUDA, "Traveling wave and aggre-gation in a flux-limited Keller-Segel model", Kinet. relat. models 11, pp. 891–909 (2018).
- Benoît PERTHAME and Shugo YASUDA, "Stiff-response-induced instability for chemo-tactic bacteria and flux-limited Keller-Segel equation", Nonlinearity 31, pp. 4065–4089 (2018).
2. 複雑流体のマルチスケール法の開発
コロイドや高分子などの複雑流体では、変形や熱変化に対する力学応答が複雑となるため流体モデルを使った解析が難しくなります。また、複雑流体を分子スケールでモデル化する分子シミュレーションでは、解析できるサイズが小さいため、巨視的なレベルでの機能発現を予測することが困難となります。この問題を解決する一つのアプローチとして、流体モデルと分子モデルを相互に接続するマルチスケール法の開発に取り組んでいます。
- Shugo YASUDA and Ryoichi YAMAMOTO, "Synchronized molecular dynamics simulation via macroscopic heat and momentum transfer: an application to polymer lubrication", Physical Review X 4, 041011 (2014).
- Shugo YASUDA, "Synchronized molecular-dynamics simulation of the thermal lubrication of an entangled polymeric liquid", Polymers 11, 131 (2019).
3. 卒業論文研究
これまでに安田研究室に所属した学生の学位論文研究リストです。流体シミュレーションや分子シミュレーションの他にも様々な課題にチャレンジしています。
走化性細菌集団の双峰型凝集パターンについてのシミュレーション研究
ベシクルに形成される孔の遷移過程についての流体力学的解析
液体や希薄気体の平面ポアズイユ流れにおける温度分布についての分子動力学解析
Fisher-KPP方程式における一次元進行波の高次精度差分解析とその誤差評価
高速熱流体潤滑下における壁面近傍でのレナード=ジョーンズ流体の相変化挙動
分子動力学法による高速熱潤滑下でのレナード=ジョーンズ流体の固体化
分子動力学法による2平板間の単純液体の熱流動解析
せん断流れ下での高分子液体の熱伝導
交通シミュレーションVISSIMによる大型商業施設前渋滞の再現と渋滞解消についての検討
コンピュータグラフィックスと3Dプリンター造形物に対する印象の違いについての調査
MR画像解析による免疫細胞の動態可視化
発泡材料の力学特性シミュレーションと実験値比較
今後の運転免許保有者数の予測と自動車業界への影響についての考察
スポーツ競技人口の予測シミュレーション