「フィジカルAI」とは何か?
今年に入って「フィジカルAI」という単語を目にする機会が急に増えました。一方で、「フィジカルAI」というのは学術的に何を指すのかはあまり明確ではありません。私は機械工学専攻で学位を取り、ドイツで情報系のラボでポスドクをしたのち、日本のアカデミアで研究に取り組んできました。その間、ロボットの制御、模倣学習、最適化ベース軌道計画、強化学習といった具合に研究のトピックを広げてきました。講演では、私の経験を軸に、「フィジカルAI」というものについて私見を述べてみたいと思います。前半では、理研AIPロボットラーニングチームでの取り組みを紹介しつつ、分野の概況を俯瞰します。後半では、この領域でどのようなキャリアパスがありうるのかについて、考察してみます。
力学系から見た最適化アルゴリズム
元来最適化は所与の目的関数の意味で最も良い解が見つけられればよいのだが、機械学習では往々にして目的関数は真のゴールを捉えられておらず、目的関数の改善が必ずしも「良い」学習結果を導くわけではない。一方で、勾配降下法をはじめとする標準的に用いられてきた最適化アルゴリズムは、何らかの意味で「良い」学習を促している。目的関数の良さで説明がつかないとしたら、最適化が成功している機序はどのように理解すべきだろうか。本講演の目的は、力学系を通じて最適化アルゴリズムの挙動を記述したときに浮かび上がる豊かな構造を紹介することである。古典的なロジスティック回帰の最適化にはじまり現代的な Muon まで、力学系の視点から見える陰的正則化、特徴学習、局所安定性、スペクトルフィルタといった構造は、古典的な解の最適性以上の描像を我々に与えてくれる。
演題:TBA
概要:TBA