有機化学の特徴は自ら設計した分子を自ら具現化できる(=合成できる)ことであり,最大の魅力だと個人的に思います.
主な研究対象は芳香族化合物です.医薬品や機能性物質に欠かせない構造単位であり,発光する,電子を受け渡す,積み重なるといった特徴が魅力です.個性を込めた「ちょっと変わった」分子を設計・合成し,新しい機能の「芽」を見つけて育てます.世の中の役に立つ機能性分子,特に生命現象の理解・制御に貢献できる有用物質の開発を目指しています.
研究活動を通じて,有機化学の実験技術と知識はもちろんのこと,分子の特徴を明らかにするための理論計算,物性探索や自己集合に関する実験・解析を通じて,さまざまな実験技術や機器の取り扱いを習得します.日々のディスカッションや実験報告会により問題解決能力やプレゼンテーション能力も鍛えられます.学会にも積極的に参加・発表します.
実験が好き,役立つ分子を作ってみたい,分子をこねくりまわしたい,大学院に行きたい,企業・大学の研究者になりたい,学会で発表したい,海外の雑誌に論文を出したい,といった熱意ある学生のみなさん,ぜひ一緒に研究しましょう!
現在,以下の2つを主なテーマとして研究を行っています.
さらに詳しくは,発表論文のページも参照して下さい.
ホウ素-窒素(BN)結合を有する芳香族化合物(1,2-アザボリン)はπ共役系化合物の新たな構成単位として注目されています.強蛍光性と高ドナー性を有するカルバゾールにアザボリンを組み込んだ分子の合成に成功し,良好な発光特性を有する多環芳香族化合物群の開発に取り組んでいます.また,窒素–ホウ素結合を含む蛍光性ホウ素錯体の研究も手がけています.これらを用いて,周囲の環境に応じて発光挙動を変化させる蛍光プローブなどの開発を目指しています.
芳香族分子を環状に連結し,多数の相互作用部位を配置することで精密な分子認識が可能になります.環状共役分子の内孔にヘテロ原子また金属原子を配置し,特定分子の選択的な認識・捕捉を実現します.