Research

ヒートシンクや熱交換器を対象とした革新的な伝熱システムの創成

従来のヒートシンクや熱交換器といった伝熱機器は,製造性の制約により単純な幾何形状に限定されています.しかし近年,3Dプリンタに代表される付加製造技術の発展により,製造性に対する制約から解き放たれた超高性能の伝熱機器の製造が可能になりつつあります.本研究では,敢えて製造性に対する制約を取り払った場合における究極の伝熱機器の創成を実現すべく,トポロジー最適化に基づく最適設計手法の構築を行っています.

HX.mp4

充放電性能の向上を指向したレドックスフロー電池の最適設計法の構築

地球環境保全が益々叫ばれる現代社会において,風力や太陽光といった自然エネルギーの積極的な活用が求められています.しかしこれら自然エネルギーは気候に大きく左右することから,電力を安定して供給するための蓄電システムの利用が欠かせません.このような背景のもと,次世代の大規模蓄電システムとしてレドックスフロー電池が注目を集めています.本研究では,電池内部で電解液を供給するための流路構造に着目し,トポロジー最適化により充放電効率を最大化させる流路パターンの創成を行っています.

RFB.mp4

マルチフィデリティ法に基づく最適設計フレームワークの体系化

トポロジー最適化はその設計自由度の高さが最大の魅力である一方,他の構造最適化手法 (寸法最適化,形状最適化)と比較して有望な最適解を得ることが難しい傾向にあります.これは探索する解空間があまりにも広すぎるためであり,特に扱う物理場の非線形が強い場合,たった一つの最適解を得るためだけに膨大なパラメータスタディが必要になったり,まともに最適化ができないこともよくあります.このトポロジー最適化が本質的に抱える課題に対し,本研究では,もとの最適化問題を異なる忠実度 (フィデリティ)に分けることで間接的に有望な解を導き出す新しい最適設計の枠組みの構築を目指しています.