研究
Research
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2025年9月5日更新
2025年9月5日更新
マルチメディア機器の高機能化、ブロードバンド通信網の普及、そして人工知能(AI)技術の進展に伴い、仮想(サイバー)空間と現実(フィジカル)空間を融合するサイバーフィジカルシステム(CPS)の利活用が拡大しています。その中核を成すのが、画像や映像を中心とした知覚メディアであり、人間の意思伝達や認知・判断を支える情報基盤として、社会のあらゆる場面に浸透しています。
一方で、メディアに対するニーズはますます高度化・多様化しており、単に高精細・高品質であるだけでなく、
目的や文脈に応じた機能的価値を付加した知覚メディア――すなわち「多知覚メディア」――
の実現が求められています。例えば、情報を自然に提示しつつプライバシーを確保する技術や、個人の知覚特性に応じて情報表現を最適化する技術など、社会実装可能な形での展開が強く期待されています。
本研究室では、このような課題意識を踏まえ、信号処理や機械学習を基盤として、知覚メディアの「解析」「圧縮」「保護」「理解」「表現」に関する研究を、理論と実装の両面から総合的に展開しています。基礎理論の探究と応用技術の構築を有機的に結びつけ、学術的意義と社会的価値の両立を重視しています。
知覚メディアを通じて、誰もが安心してつながれる未来社会を切り拓きます。
本研究室では、以下の5つの主要テーマを軸とし、それらを横断・複合する研究を行っています。
より具体的な研究内容については、本ページ下部の学位論文リストや業績ページをご参照ください。
特性を明らかにするために「解析」する。
➡ ウェーブレット変換、スペクトル解析、スパース表現、特徴抽出 など
効率的に利用するために「圧縮」する。
➡ 可逆・非可逆統合符号化、HDR画像符号化、RAW画像符号化、二層符号化 など
安全性と知覚品質を両立させながら「保護」する。
➡ 知覚暗号化、フォーマット準拠暗号化、情報隠蔽、ステガノグラフィ など
意味を捉えるために「理解」する。
➡ 物体検出、領域分割、シーン理解、画像修復、超解像、生成モデル など
自然で臨場感ある形で「表現」する。
➡ 物理ベースレンダリング、外観モデリング、微分可能レンダリング、テクスチャリング など
これまでに下記のような外部資金を獲得しています。
鈴木 大三(研究代表者),公益財団法人 電気通信普及財団 研究調査助成 技術分野【40周年記念枠】,2025年4月~2026年3月
鈴木 大三(研究代表者),日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(C),課題番号22K04084,2022年4月~2025年3月
鈴木 大三(研究代表者),公益財団法人 大川情報通信基金 研究助成 応用分野(A),課題番号21-08,2021年12月~2022年11月
淸水 恒輔(研究代表者),日本学術振興会 特別研究員(DC2),課題番号20J14599,2020年4月~2022年3月
鈴木 大三(研究代表者),日本学術振興会 科学研究費補助金 若手研究(B),課題番号16K18100,2016年4月~2019年3月
鈴木 大三(研究代表者),日本学術振興会 科学研究費補助金 若手研究(B),課題番号25820152,2013年4月~2016年3月
鈴木 大三(研究代表者),日本学術振興会 特別研究員(DC2→PD),課題番号10J01335,2010年4月~2011年3月
学生が個人個人で様々なテーマに取り組んでいます。
(2022) 淸水 恒輔, "画像・映像フォーマット準拠暗号化とその再符号化可能性・調整可能性・汎用性に関する研究"
(2025) 鄢 昕, "表情情報を考慮した顔特徴交換によるフェイク顔画像暗号化"
(2024) 鄧 嘉禾, "事前修復に基づく詳細・概要情報を活用した生成系画像インペインティング"
(2024) 大津 眞悟, "GAN反転と画風変換の顔画像知覚暗号化への応用と考察"
(2024) 佐藤 大哲, "映像の複雑性を考慮したHTTPライブストリーミング手法"
(2023) 黄 黎萍, "画像特徴を考慮した加重ウェーブレットスペクトル空間変換によるRAW画像符号化"
(2023) 行方 紗羅, "局所指数調整仮数予測を用いたRadiance HDR画像の高速二層可逆符号化"
(2022) 王 啓凡, "拡張予測誤差伝搬暗号化によるJPEG圧縮画像のテクスチャ保護"
(2020) 楊 凱, "Radiance形式に基づく高ダイナミックレンジ画像二層符号化"
(2019) 淸水 恒輔, "キューボイドベース知覚暗号化の開発と画像・映像コンテンツ保護への応用"
(2017) 田中 直樹, "M分割非線形位相フィルタバンクを用いたロッシー・ロスレス統合画像符号化"
(2016) 久保 翔平, "M分割整数時間領域重複変換の設計と画像・映像符号化への応用"
(2016) 石橋 諒馬, "多方向性フィルタバンクにおける画像端問題の解決と画像処理への応用"
(2025) 黄 承岳, "JPEG XSにおけるRAW画像圧縮へのCfL予測導入の検討"
(2025) 神永 恵人, "2次多項式回帰仮数推定を用いたRadiance HDR画像の高効率二層可逆符号化"
(2022) 春山 優太, "自然な偽の顔画像を表示する知覚暗号化:StyleGAN2による一検討"
(2022) 田森 大翔, "ランダムシームレット変換に基づく形状歪曲型知覚暗号化の実現"
(2021) 行方 紗羅, "OpenEXR形式に基づく高ダイナミックレンジ画像二層符号化"
(2021) 大津 眞悟, "Style Decoratorを用いたStyleGANによる顔画像生成"
(2020) 山﨑 孔史, "グラフスペクトルフィルタリングを用いたJPEG圧縮画像におけるカラーブリーディング低減"
(2015) 田中 直樹, "完全再構成フィルタバンクにおける画像端問題の一解法とロッシー・ロスレス統合画像符号化への応用"
(2014) 久保 翔平, "整数時間領域重複変換の設計と画像符号化への応用"