学習指導要領が改正され,令和の時代を迎え,小学校のみならず中学校においても「特別の教科 道徳」(以下,「道徳科」)の全面実施が本格化している。そこでは,今後求められている道徳科の授業や評価に対して不安や戸惑い・悩みを抱えておられる学校や(とりわけ若い)先生方が,多くおられるのではないだろうか。
本書では,そうした学校や先生方の一助になればと考え,道徳科授業づくりに焦点を当てて理論編,準備編,実践編の三部構成で編集した。具体的には,ベースとなる学級経営の観点から留意点をまとめた上で,教科書教材をもとに,学習指導の考え方を教材分析や学習指導過程(板書計画を含む),発達段階に応じた実践を学年別に解説した。
読者のみなさんには,是非とも理論編を理解した上で,準備編,実践編を参考に明日の自身の実践に活かしていただけたら幸いである。
学習指導要領が改定され,「特別の教科 道徳」(以下,「道徳科」)がスタートした。その中で,これまでと大きく違う点に教科書の存在がある。教科書が登場したことで,多くの先生方は教科書にあるものから授業をつくっているだろう。しかし,子どもたちとともによりよい道徳科の学びをつくっていくために,教材の特性を意識しているだろうか?
本書では,教科書で用いられている教材の特性にスポットを当て,それぞれの特性に合わせた授業づくりを提案している。本書は理論編,実践編の構成になっており,教科書の特性を捉えた上で,学習指導過程(板書も含む)を具体的に示し,解説している。毎週ある道徳科の授業で,不安や戸惑い,悩みをもたれている先生方やこれまでの自分の授業づくりの考え方に変化を与えていきたいと考えておられる先生方にとって,ヒントになる一冊になっているはずである。
また,最後には,兵庫道徳教育研究会「わかばの会」が主催した「道徳フェスティバル」の内容についてまとめている。こちらでは実践交流や模擬授業,そして今まさに道徳界を牽引されている3人の先生方による対談を掲載している。購入者特典として,当日用いられた3人の先生方の発表用資料を読み取ることができるようになっているので,そちらも楽しみにしていただきたい。
読者の皆さんには,ぜひ本書を手に取っていただき,明日からの自身の実践にいかしていただけると幸いである。