事前にいただいた質問にお答えしました!当日使用する予定だったスライドとコメントを掲載します。わかりやすくなるように心がけましたが、少し難しくなってしまいました。ごめんなさい。
大きな本屋さんの物理学・天文コーナーに行けばもっと詳しくもっと難しく説明している本がたくさん置いてあります。このコーナーで面白い!と思ったことを、ちょっと背伸びして調べてみると面白いかも?
【お詫び】観望会当日に質問コーナーを設ける予定でしたが、終了時間の関係で割愛させていただきました。せっかく質問を送ってくださったのにも関わらずお答えできず申し訳ございませんでした。
ビッグバンは138億年前に”なにもない空間”から突然大爆発が起きたことです。なぜビッグバンが起きたのか、”なにもない空間”とは何かなどは非常に難しい問題で今も研究が進められています。ビッグバンが起きてから宇宙はとてつもないスピードで膨らみ、作られた物質同士が衝突を繰り返すことでまとまり星となり、現在の宇宙の姿になったと考えられています。
光にも進むスピードがあります。あまりにも速いので私たちはそれを認識することはできませんが、宇宙のスケールではよくわかります。皆さんが見ている太陽の光は、太陽から出て地球に向かって宇宙空間を7分間旅して私たちの目に届いています。つまり私たちは7分前の太陽を見ているのです。
つまり、138億年前の光を見ることができればビックバンが起きている様子を観察できることになりますね。最新の研究では135億年前の星まで見つけることができています。
少し脱線ですが現在天文学のトップを走る二つの望遠鏡を紹介します。
一つ目はアルマ望遠鏡です。日本の裏側にあるチリ共和国の砂漠に日本・アメリカ・ヨーロッパが共同で建設した望遠鏡です。合計66個のアンテナを組み合わせて星を観測します。
二つ目はジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡です。NASAのロケットで打ち上げられた宇宙望遠鏡です。
これら二つは見る光の”色”が違います。(正確には波長と言います)なのでこれら二つの望遠鏡がタッグを組んで星を観測することもあります。
ブラックホールは星の究極の姿といえます。すべての重さ(正確には質量と言います)を持つものはすべての質量を持つものを引き寄せる法則があります。大きな質量をを持つ星はその引き寄せる力がとても強いです。
強すぎると”光”すらも引き寄せて外に出てこられなくしてしまいます。これがブラックホールです。
あらゆるものを吸い込む様子を表している図です。光さえも飲み込んでしまうので黒く”見えて”います。ブラックホールの近くでは時間の進みが遅くなっているのですがこれはとても難しい理論なので大きくなったら勉強してみてください。(「一般相対性理論」と言います。)
2022年、世界中の望遠鏡を組み合わせることで私たちが住んでいる天の川銀河の中心にあるブラックホール(いて座A*)を初めて撮影することに成功しました。
ドーナツの穴の部分がブラックホールで、周りのリングはブラックホールに引き寄せられているガスやちりが摩擦で温められているのがわかります。
今から一億年前から1000万年前に氷衛星が土星の重力に引かれた結果、土星に近づきすぎて壊れた破片がリングになったという説が有力。実はリングは最近できたもので、土星ができた頃は存在しなかったと考えられています。
土星のリングは氷が主成分のため光をよく反射します。木星なども周りをたくさんのガスやちりが回っていますが、光をあまり反射しないので地球からは見えません。
惑星が太陽の周りを公転する面を公転面と言います。公転面に対して天王星の自転軸がほぼ並行に倒れています。自転軸に対してリングは垂直にできるので縦向きというわけです。少し説明が難しくなってしまいましたね。
昔巨大な衛星が天王星に衝突した結果98度の傾きになったという説が有力です。その衛星は粉々になったため今は見ることができません。
豆知識ですが、天王星は望遠鏡が開発された後に発見された惑星です。つまり肉眼で見ることはできません。もし見つけられたらすごい才能ですね。
表面はとても寒いのですが、中心部分は7000度ととても高温です。(地球は5000度)実は太陽系で三番目に質量の大きな天体で地球の17倍もあります。
太陽から45億km離れていて公転周期(一年)が165年ととても長いです。最近の研究で2年間で10度も温度が上がっていることがわかったのですがその原因はまだわかっておらず、太陽系の中で最も謎大き天体と言えるでしょう。
私たち天文学者は星というと自分で光ることのできる恒星のことを指すことが多いです。
太陽系の中で恒星は太陽一つなのでここでは1個と書いています。
恒星には基本的に惑星がくっついているものと考えられていますが、それを見つけることはとても難しいです。もちろんプレアデス星団を作る130個の恒星それぞれに何個か惑星が回っているはずです。
銀河の中にある星の数を数えるのは難しいです。暗黒物質や暗黒エネルギーと呼ばれる謎の物質が星を隠してしまうので低く見積もってしまうのです。
イータカリーナは全天で最も明るく大きい星雲です。南半球の高緯度地域(南極の近く)でしか見ることができません。有名なオリオン星雲の4倍くらい大きい星雲です。
どちらも日本で見ることのできる星雲です。かに星雲はM1としても有名。(Mとはメシエの略で、星雲や銀河といった淡い天体がメシエカタログとしてまとめられています。)天文学の最新研究でもメシエカタログに掲載されている天体はよく登場します。お気に入りのメシエ天体をぜひ見つけてください。
つくば付近では天の川の中心まで見ることができます。北海道などの北の地域では地平線で隠されてしまい見ることができません。
簡単に見るなら、九十九里や三浦半島など太平洋に面した南側が開けた場所がおすすめです。
明けの明星・宵の明星と言われるように日の出・日没前後のわずかな時間しか見ることができません。夕暮れ時は気温の変化も大きく地平線付近に雲が溜まりやすいため観測する難易度は高めです。
実は天動説を否定し地動説が信じられるようになったきっかけの一つが金星の満ち欠けです。興味のある人はぜひ調べてみてから金星の観測に挑戦してみてください。
冬の星座の代表格であるオリオン座の左上にあるのがベテルギウスです。明るさが変化する変光星として有名で、寿命のためにそろそろ爆発(超新星爆発)を起こすのではないかと言われています。
日本だと左上にあるベテルギウスですが、南半球では右下にあります。なぜこうなるか考えてみると面白いかもしれませんね。
写真は二年前のふたご座流星群の日にオリオン座付近で1時間の間に流れた流れ星を一枚に合成したものです。ふたご座の方向から放射状に流れているのがわかります。
1時間で60個も流れるような日もあります。流れ星は珍しいものと思っている人も多いですが、実は簡単にみられる天体なのでぜひ温かい服装をして根気強く挑戦してみてください。
満月の日に太陽から月を照らす光を地球が隠してしまうことで月が暗くなる現象のことです。
写真は一定間隔で撮影した月を一枚に合成したものです。だんだん明るさが変化しているのがわかりますね。年に一度あるかないかの現象ですが、曇ってしまうと当然見ることができません。運次第!