海洋混合層の形成過程に関する研究
海洋表層には 水温・塩分・密度等が鉛直一様となる混合層が存在しています。 大気からの熱供給は混合層で均一に分配されるため、 混合層の深さ(混合層深度)は海面水温変化と密接に関係し、 気象・気候現象にも影響を及ぼしています。 また、混合層が深くなると下層に存在する栄養物質の豊富な冷水が表層に取り込まれるため、 混合層の深化は 海面水温の低下による気象・気候現象に影響を及ぼす他、 栄養物質が必須となる基礎生産にも大きな役割を果たしています。 混合層は風や波、熱によって形成されていますが、 その過程についてはまだ不明な点が多く残されているため、 主に数値実験を用いて、表層の混合層の形成過程の実態を調査しています。
(研究例)
日変化が海洋混合層に及ぼす影響に関する研究(Ushijima and Yoshikawa 2019, JPO)
風と海面冷却による混合層深化過程に関する研究(Ushijima and Yoshikawa 2020, OD; Ushijima and Yoshikawa 2022, SR)
気候モデルの再現性に関する研究
近年、観測史上最高の気温を更新するなど、地球温暖化の影響が顕在化してきています。 こうした温暖化した社会に適応していくためにも、将来気候の高精度な予測が求められています。 しかしながら、気候予測に用いられる気候モデルの再現性は完璧ではありません。 そこで、気候モデルの再現性を検証し、どのような過程が気候モデルの再現性の悪化をもたらしているのかを調査しています。
(研究例)
日本近海の海面水位変動に及ぼす人為起源強制の影響に関する研究(Ushijima et al. 2022, GRL)
海洋モデルの高解像度化による北太平洋の海面水温変化に関する研究(Ushijima et al. 2026, JC [解説])
気候モデルの海面水温誤差が北太平洋上の偏西風に及ぼす影響に関する研究 (Ushijima et al. submitted)
日本近海の極端現象に関する研究
地球温暖化に伴い、数日から数十日程度持続する極端な高温現象が頻発しています。このような極端高温現象は海洋の生態系や気象に影響を及ぼすため非常に重要な現象です。日本域においても近年、増加傾向にありますが、短期間に生じる極端高温現象と長期の気候変動との関係については不明な点が多く残されています。また、外洋域における極端高温現象(海洋熱波)については近年、研究が盛んに行われてきている一方、沿岸域における極端高温現象についての統計的な研究は限定的となっています。そこで、日本近海、さらには沿岸域における極端現象の発生機構や長期の気候変動との関係について調べています。
(研究例)
日本近海の海洋熱波に及ぼす気候変動の影響に関する研究 (Ushijima et al., 2026, JO [解説])