<映画「北の流氷」(仮題)の製作準備が進められています>

   今、森林伐採で砂漠化した襟裳岬を漁業者らが植林し豊かな海を取り戻す、1950年代を舞台とした実話に基づく物語「北の流氷」(仮題)の映画の製作が進められています。『浦河田中組』では、この映画成功に向け、えりも町民有志の皆さんで組織された「映画『北の流氷』(仮題)を応援する会」の活動を支援していきます。


 映画『北の流氷』(仮題)

 漁業資源に恵まれた襟裳岬は、かつて、広葉樹の原生林で覆われていました。しかし、明治以降の入植者の急増により燃料用などで樹木が伐採され、山肌がむき出しの「砂漠化」と化しました。

 強風で舞い上がった赤土は、沖まで達し、海は黄色く濁り、海藻類は枯れ、回遊魚や沿岸の魚も激減。そこに住む人々にとっても、家の中に砂が入り込む過酷な環境となりました。

 昭和28年、えりもの森と海を甦らせようと、地元の漁師たちと行政が苦難の緑化に乗り出しました。何年もの試行錯誤と血のにじむような努力の末、草を根付かせることに成功。昭和59年に漂着した流氷の影響もあり、70年近く経った今、えりも岬にはクロマツが茂り、沿岸には日高昆布が育ち、沖には多種多様の魚が回遊する豊かな魚場となりました。

 映画は、襟裳岬を甦らせた漁師たちの実話をベースに「人と自然の共生」が大きなテーマで、日高管内えりも、浦河、様似と十勝管内広尾の四町が中心に準備が進められ、浦河町出身の田中光敏監督が撮影を手掛けます。




緑化事業(えりも国有林治山事業)


 えりも国有林は、えりも岬の東側沿岸に細長く延びる地区です。

 この地区に移住してきた人たちが生活するために明治時代から開拓が行われ、原生林の荒廃が進みました。


緑化事業開始前 ↓


緑化事業開始前 ↓


種子を播いた後に雑海藻(ゴダ)を播く漁師たち(えりも式緑化工法)↓


現在


現在


現在



*写真提供 えりも町役場