Nagasaki University

Graduate School of Biomedical Sciences

Department of Medical Virology

長崎大学大学院  医歯薬学総合研究科  ウイルス学分野

We lead innovative molecular technologies that make a difference in viral diagnostics.

新しい核酸検出技術とウイルス核酸検査の開発

Our Technologies

DNA Flow Cytometry

We developed a novel flow cytometry assay that can detect single-copy DNA targets in human leukocytes freshly separated from human blood. The assay allowed us to analyze CD4+ lymphocytes containing HTLV-1 viral DNA by flow cytometry.

フローサイトメトリーは強力な技術ですが、標識しているのは抗原であって核酸ではありません。DNA Flow Cytometryは細胞内の特定のDNA配列を細胞内でPCRによって増幅かつ蛍光標識し、フローサイトメトリーで目的のDNA配列を含む細胞を分析する革新的技術です。この技術は標的DNAが細胞内に1コピーであってもその細胞を検出する感度があります。ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)はヒトのCD4陽性細胞に感染しますが、ウイルス蛋白は通常発現しないため、ウイルス抗原を標識してフローサイトメトリーでHTLV-1感染細胞を分析することはできません。さらに、ウイルスDNAは細胞内に1コピーしかないため、FISHでもHTLV-1感染細胞の検出は困難です。DNA Flow Cytometryはこれらの技術的限界を打破し、HTLV-1感染細胞のフローサイトメトリーアッセイを実現しました。

CRISPR Gel

We created CRISPR Gel that allowed highly sensitive detection of  nucleic acids in a single-tube one-step format without the need of thermal cycler. We successfully applied CRISPR Gel to detect HIV RNA extracted from patient's plasma.

CRISPR-Cas12は一本鎖DNAを配列非依存的に分解する能力があるため、その特徴を利用して近年核酸検査に積極的に応用されています。特に等温核酸増幅法であるRecombinase polymerase amplification (RPA)と組み合わせることで、サーマルサイクラーを用いずに高感度な核酸検査を開発することができます。しかし、RPAとCRISPR-Cas12はバッファー条件が異なるため、同一チューブで反応を起こすことが困難です。CRISPR-Cas12反応液をアガロースでゲル化したCRIPSR GelRPAとCRISPR反応を同一チューブ内で融合することを可能にし、シングルチューブで等温かつ短時間に標的核酸を高感度に検出することができます。例えば、CRISPR GelによってHIV RNAを39°Cで1時間以内に高感度に検出することができます。

PCR Gel

We innovated PCR Gel allowing highly sensitive detection of nucleic acids in a single-tube one-step format. We successfully detected HIV RNA extracted from patient's plasma using PCR Gel and demonstrated that PCR Gel is more sensitive and faster than one-step RT-PCR.

PCR反応液をアガロースでゲル化したPCR Gelの上に等温核酸増幅法であるRecombinase polymerase amplification (RPA)反応液を加えることで、シングルチューブで高感度に標的核酸を検出することができます。PCR反応前にRPAによって前増幅をするため、PCRでは検出が困難な微量な標的核酸を検出できます。例えば、HIV RNAをRT-PCRより早く高感度に検出することができます。

CS-dPCR

We developed a streamlined methodology to implement clone-specific quantification of tumor cells that were infected with HTLV-1 and caused adult T cell leukemia in a clinical setting. Clone-specific digital PCR (CS-dPCR) allows clone-based diagnostics and treatment for adult T cell leukemia in clinical practice.

腫瘍は必ずしも単一の腫瘍性クローンから構成されるのではなく、複数の腫瘍性クローンから構成され、それぞれのクローンは抗がん剤に対する反応などが異なることが知られています。Clone-specific digital PCR (CS-dPCR)は腫瘍化したHTLV-1感染細胞をクローン毎に定量する技術です。まず、ヒトゲノムのプロウイルス組み込み部位を選択的にPCRで増幅し、アガロースゲル電気泳動で腫瘍化した感染細胞をバンドとして検出します(特開2022-021233。バンドが検出された場合、Amplicon deep sequencingによってそれぞれのクローンのウイルス組み込み配列を決定します。クローン特異的配列を基にデザインしたプライマーとプローブを用いて、CS-dPCRによって腫瘍性クローンを定量的に追跡することができます。このワークフローは成人T細胞白血病の臨床検査として有用性が期待されます。

Collaboration

共同研究

You can collaborate with us if you are interested in our technologies. Please see Contact to get in touch.

私たちは開発した技術を臨床検査に実用化するためにアカデミアとの共同研究や臨床検査関連企業とのコラボレーションに積極的です。