演習の3週目
3週目の課題は歩行サイクルです。
この演習で製作するのはピクセレーションによる歩行サイクルです。二人組のチームで各自がアニメーターとパペットの役割分担を交互に行います。絵を描くのが苦手でもキャラクターアニメーションの概念を学ぶことが出来るようにデザインされています。正しくポーズをとるためには体のバランスをとるのが難しいこともあるため、ビニール傘など杖になるものを持参するのもお勧めです。安全第一で気を付けて臨んて下さい。
↑ このGIFは5つのポーズから成っており、歩行サイクルとしてはまだ完成していません。(左足のみ踏み出している)完成させるためには8ポーズ撮ってください。
(c) The Animator’s Survival Kit by Richard Williams
歩行サイクルの5つの重要なポーズを理解する
ある人が歩く姿を見てその人物が「若いのか年寄りなのか?」「経済的な状況は?」「健康状態は?」「厳格または大らかな性格か?」「意気揚々か消沈か?」「酔っぱらってるか?」など我々が人の歩く動作から受けとる印象は様々です。
歩行サイクルには無数のバリエーションがありますが、ここではアニメーションするにあたって最も基本的な歩行サイクルを学びます。
歩行サイクルの5つのポーズ
ここでは左から次の名で各ポーズを呼びます。
コンタクトA ポーズ -- 背がやや低いポーズ
ダウンポーズ -- 背が最も低いポーズ
パッシングポーズ -- 背がやや高いポーズ
アップポーズ -- 背が最も高いポーズ
コンタクトBポーズ -- コンタクトAと同じ
↑ 実写での体の上下差はごく僅かです。アニメーションでは誇張して表現する傾向があります。この演習ではコンセプトを学ぶために あえてはかなり誇張してみましょう。
(c) The Animator’s Survival Kit by Richard Williams
← このモノクロ画像は19世紀に撮られた エドワード・マイブリッジによる人の歩行の連続写真です。彼の写真が発明家であるエジソンを大いに触発し、後のキネトスコープ(映写機)の発明に繋がったといわれます。動物や人の動作についての我々の理解を大きく助けた彼の功績はアニメーション史から外せません。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピクシレーション(Pixilation)とは、人間を1コマずつ動かして撮影(コマ撮り)するストップモーション・アニメーションのこと。つまり、人形アニメの人形を人間がやるもの。セグンド・デ・チョーモン(英語版)の『El hotel eléctrico』(1908年)やエミール・コールの『Jobard ne peut pas voir les femmes travailler』(1911年)など映画黎明期からある技法であるが、「ピクシレーション」という語はそれよりずっと後、カナダのアニメーターのグラント・マンロー(1923年 - 2017年)が造った[1]。
https://vimeo.com/13781225
過去の生徒達の Walk Cycle 修作
横の動画は私が2018年に教えていたカリフォルニアの学生達が入門コースに入って最初に描いたドローイングによるWalk Cycle です。懸命に課題をこなし成果を上げてくれた皆さんに感謝します。
These walk cycles were done by my students as their very first animated walk cycle in the Intro Animation Class 2018 at California State University Long Beach. I thank all of my former students for grate participation and hard work.
いよいよ実制作開始
課題4. Walk Cycle はこうして作る
二人組になる (こちらで二人組をマッチングします)
リチャード・ウィリアムスによる5つのキーポーズについて再確認する
コンタクトa (C) -- 両足が地面に着いている。歩幅が広いので背がやや低くなるポーズ
ダウンa (D) -- 軸足の膝が曲がっていて腰の位置が低い。最も背が低くなるポーズ
パッシングa (P) -- 軸足の膝は真っすぐに近い。体重の乗っていない足が軸足を追い越そうとしているポーズ
アップa (U) -- 軸足が体の後方に伸び地面を蹴る際にかかとが上がる。最も背が高くなるポーズ
コンタクト(Cb) -- 再び両足が地面に着く。最初のポーズと左右の足が入れ替わった状態で同じシルエットになる
アニメータ役はカメラを三脚にセットしパペット役に指示を出して8つのポーズによる歩行サイクルを撮る
更なる詳細は下の手順のパートを参照のこと
役を入れ替えて二人それぞれがアニメーションサイクルを撮り終える
撮ったコマを順番通りに編集する
この演習ではキャラクターが画面の中央に留まったまま歩き続ける歩行サイクルを作ります。スポーツジムのトレードミルの機会を歩くような感じです。
アニメーションの手順
Stopmotion Studio で新規プロジェクトを立ち上げる。
スマホを適切な場所でパペット役の全身が画角に入るように三脚を使って固定する
可能な限り背景がプレーンな場所を探すこと
他のチームと物理的にぶつからないように協力しあうこと
パペット役に被写体になってもらってポーズ①(コンタクトa)を撮る
ポーズ⑤(コンタクトb)を撮る。この際にオニオンスキン機能(前に撮ったコマを半透明に表示させる機能)を使い、①と⑤を正確に全く同じシルエットに撮るようにする。
カメラのコマをポーズ①と⑤の間に割り込ませてポーズ③(パッシング)を撮る。(図B参照。選択したコマの左にカメラを割り込ませることができる)
再生フレームレートを再低速にしてポーズ①③⑤が機能しているかどうかアプリ内で確認する。
カメラのコマをポーズ①と③の間に割り込ませてポーズ➁(ダウン)を撮る。
カメラのコマをポーズ③と⑤の間に割り込ませてポーズ④(アップ)を撮る。
④アップはバランスのとりにくいポーズなので転んだり怪我しないように杖や壁を使うこと
再生フレームレートを4程度にして5つのポーズがが機能しているかどうかアプリ内でループで再生させて確認する。
ポーズ⑤の後にポーズ①をコピペする。これをポーズ①bとする。
ポーズ⑤と①bの間に③b(パッシングb)を撮る。③と正確に同じシルエットにするならばコピペ機能等を使って参照したいフレームを透過で表示するなどの工夫すること。
上の要領で更に適切なフレーム位置にカメラを割り込ませて②bと④bを撮る。
意図した順番にコマを並べ替えるために逆順機能を使ってもよい。
再生してみてここまで上手く機能するなら撮った8コマを3回コピペして合計4回(32コマ)のループにする。再生フレームレートは4を推奨。
できたアニメーションをGIFに書きだすために今回は「送信」を選びます。ファイル名を指定の様式で付けなおし manaba の 「テーマDの三週目」レポートとして提出する。ファイル名はs21xxxxx_Namae_kadai05.gif(学籍番号_姓の英文字表記)を厳守すること。
図B↑
①コンタクトa ➁ダウン ③パッシング ④アップ ⑤コンタクトb
軸足(体重の乗っている足)が均等な速度で後ろに移動する配置でポーズをとってもらうこと
課題の提出先
課題の提出先は4月14日現在はmanaba 上の、基礎ユニットⅠのレポートページにある「分野D レポート3週目」から添付ファイルとして提出して下さい。
提出する前に、まず課題が終わったら動画をアプリから書き出す必要があります。(StopMotion Studio での書き出し方は振り子課題PDFの13枚目にスクショがあります)それを自分あてに添付ファイルとしてメールします。動画の書き出し方はアプリによって違います。
課題動画にファイル名を付け直して指定された場所に課題を提出します。
ファイル名の付け方は s21xxxxx_Yourname_kadai05.gif (学籍番号_姓の英文字表記_課題番号)として下さい。
※ちゃんと4回のループにさせてアップしてください。ループにしてないものは再提出するまで成績がつきません。
miro に できたGIFを貼ってみましょう。
ボードのリンクはこちらです↓