2020年12月20日、旭山動物園×UEKIYAによる、第1回「つながる動物園」をオンライン上で開催いたしました。
このイベントは、2部構成で行いました。第1部では、動物園の裏側ツアー。第2部では、参加者とUEKIYAメンバーでトークセッションを行いました。その様子をレポートという形でまとめましたので、ぜひご覧ください!
第1部は、動物園の裏側ツアーです。舞台は北海道旭川市「旭山動物園」。
園長の坂東さんと飼育員の鈴木さんに園内を案内していただきました。
トナカイの秘密
今回はクリスマス目前ということで、トナカイの紹介をしました。
トナカイはオスとメスどちらにも角があるのが特徴です。しかし、その立派な角は繁殖期が終わると、オスは秋〜冬にかけて、メスは春〜夏にかけて、落ちてしまいます。
では、なぜサンタのそりを引くトナカイには角があるのでしょうか。
実は…北欧で家畜化されているトナカイは、去勢の影響で冬でも角が残るんです!
オランウータンの生活
次は、オランウータン館へ。
オランウータンは跳べないので木と木を移動する時には地上に降りますが、基本的に高い場所で暮らしています。そのため、動物園は地面がない空間を作ることで、柵がなくても逃げることはありません。
また、木の上で100キロ以上ある体重を支えるために、オランウータンの握力は数百キロあると言われています。
オランウータンの故郷、ボルネオ島に恩返し!?
オランウータンが暮らしているのは赤道付近に位置するボルネオ島。ボルネオ島は熱帯雨林に覆われ、多様な動植物が生息しています。
そんなオランウータンのふるさと(ボルネオ島)は、環境や動物に関する大きな問題を抱えています。
▶︎広がるパームプランテーション
お菓子の原材料名でよく目にする「植物油脂」。
植物油脂のほとんどがパーム油で、食品に限らず、歯磨き粉などの日用品にも使われています。
ボルネオ島では、このパーム油をパームプランテーションと呼ばれる大規模な農園で生産しています。しかし、パーム油は「安全」と「安さ」で便利なため、たくさんの企業が取り入れ、生産が間に合わなくなりました。そして熱帯雨林をどんどん切り拓き農地を広げていきました。
その結果、動物たちは住処を追われ、プランテーションに足を踏み入れれば、銃殺や毒殺されるという現状があります。
このように私たちの消費生活が野生動物へ大きな影響を与えています。動物園で飼育されている動物は見ることができても、野生で生きる動物を見ることができなくなってしまうかもしれません。
▶︎恩返しプロジェクト
そこで旭山動物園が始めた取り組みが、「恩返しプロジェクト」です。
恩返しプロジェクトとは、自動販売機を設置し売上の一部をボルネオの支援に使う取り組みです。
現地で行われている救助活動は、プランテーションに入ってしまった動物を森へ返すことですが、そのために使う檻が弱く、壊されてしまいます。そこで、自動販売機の売上の一部を使って、丈夫で軽いメイドイン旭川の檻をボルネオ島に送りました。この檻で、100頭以上のゾウを森に返すことができました。
このようにお金で支援するのではなく、実際にもので支援をしています。しかし、パームプランテーション拡大の勢いは止まらず、動物たちを返すジャングルが少なくなってしまいました。また、けがなどで森に返せない動物も多くいます。そこで、一時的な保護できる施設を作り、その場所や保護した動物をお世話する人のお給料や餌にも自動販売機の売上の一部が使われています。
現在は恩返しプロジェクトの自動販売機は、全国で200台近く設置されています。
1部が終わり、動物たちを眺めながら少しゆっくりしたところで、第2部スタートです!
第2部では、「動物園のより良い未来を考えてみよう!」というテーマのもと、トークセッションを行いました。
今回はzoomの機能、「ブレイクアウト」で年代別の4グループに分けて話し合いを行いました。進行はUEKIYAメンバーです!
ブレイクアウトセッション
事前に用意した6つの質問を元にして、色々な意見が出ました。
「動物園にしてほしいことは?」という質問では、
「動物の本能が見れる仕掛けがほしい」
「もっと動物と心が通い合えるようにしてほしい」
などの意見や
「動物園はあなたにとってどんなところ?」という質問に、小中学生からは
「動物園は色々な世代が楽しめる場所」
「コロナで外に出られなかったから、動物園はストレス発散になる」
というの意見もありました。
ブレイクアウトが終わると、皆さんとても楽しそうに戻ってきました。
皆さん、沢山の意見をありがとうございました!
こうして、約2時間に及ぶ「第1回つながる動物園」が無事に終了しました。
協力してくださった旭山動物園の坂東園長や鈴木さん、ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました!
UEKIYAにとって、初めてのイベント開催でしたが、皆さんにとって少しでも意味のある、素敵な時間が過ごせてもらえていたら幸いです。
日本から数時間で行けるボルネオ島で、さまざまな問題が起きていることをイベント(つながる動物園)、もしくはこのレポートで知っていただけたと思います。他人事ではなく、世界で起こっている環境問題も“地球の住民の1人“として、自分事として考えていただけたらなと思います。
UEKIYAメンバーも今回のイベントを通して、オランウータンの生活についてや、ボルネオ島に支援ができる自動販売機があることなどなど、たくさんのことを学ぶことができました。また、パームプランテーションの現状について、参加者の方と一緒に知ることができたり、お話しすることができ、とても濃い時間だったと感じています。
ぜひ、少しでも周りの方に伝えたり、旭山動物園の恩返しプロジェクトについてもっと調べてみたり、この問題の解決方法を考えてみてください!きっとあなたにもできる行動があるはずです。
第2回の開催を目指して、これからも頑張っていきます!
最後までご覧くださりありがとうございました!