熊本地震から2年

熊本地震で半壊の被害を蒙り解体を余儀なくされた隣家の再建工事が始まった.

一昨年の4月,誕生日(喜寿)を挟み,その前後日に二度も激震に見舞われ,生きた心地がしなかった平成熊本地震から2年が経とうとしている.周囲のマンションの外壁補修の足場も一巡したようだが,近隣で最大のマンションにはまだ足場が組まれている.

最近は余震の回数もめっきり減ってきた.今年になり一週間余震が発生しないことも珍しくなくなった.次図は一昨年12月以降の月別地震回数の推移である.2月末時点で地震回数は4472回を超えた.2年間を通して見た場合,指数関数的に収束に向かっていると言っても過言ではない.

月別地震回数の推移(2016年12月〜2018年3月)

熊本城内の桜も満開になり,通行止めになっていた行幸坂の一部が観桜のために開放されている.

ところで,熊本市は3月28日,熊本地震で被災した熊本城の復旧スケジュールや手順をまとめた熊本城復旧基本計画を正式に決定した.

・計画期間は20年

・石垣や建物の2037年度復旧完了を目指す

・早期の復旧を進める天守閣については耐震化などを進め,19年までに大天守の外観を,21年には小天守を含む天守閣全体を復旧させる.

・19~20年度には,復旧過程を観光客が見学できる仮設通路を設ける.

(2018年3月29日付 熊本日日新聞朝刊掲載記事).

RKKライブカメラ画像(2018年3月29日午前11時頃)を使用しました.

熊本城の完全復旧は20年を要するとのことであり,我々の世代がその姿を見ることは不可能だろう.一方.確実に復旧が進んでいるは道路関係の施設である.熊本地震で被災し,立ち入りが禁止されていた菊池渓谷(菊池市原)が24日,約2年ぶりに一般開放された.

今春,大学や専門学校の卒業式では,地震後の非日常的な生活に耐えながらボランティア活動に参加した学生を初めとして,変則的な授業を乗り切り頑張った学生達に称賛の声が送られた.在学中に想定外の経験で得た知識を生かした活躍を祈りたい.

ついでに

近所の桜は満開状態,厳冬の影響などまったく感じられない(3月29日).

参考資料

熊本城復旧計画を決定 熊本市(2018/3/29 10:16)

熊本市は28日、熊本地震で被災した熊本城の復旧スケジュールや手順をまとめた熊本城復旧基本計画を正式に決定した。

計画期間は20年。石垣や建物の2037年度復旧完了を目指す。早期の復旧を進める天守閣については耐震化などを進め、19年までに大天守の外観を、21年には小天守を含む天守閣全体を復旧させる。19~20年度には、復旧過程を観光客が見学できる仮設通路を設ける。

市は同日の「熊本城復旧推進会議」で国土交通省と文化庁、県に計画の最終案を報告。会議は非公開で、市によると異論なく了承された。城への立ち入り見学を望む観光客が多いため、安全を確保しながら、仮設通路の整備を進めることを確認したという。

会議後に会見した大西一史市長は「復旧基本計画をようやく策定でき感慨深い。スタートラインに立つという気持ちだ。震災前の姿を取り戻すよう全力を挙げたい」と話した。(中原功一朗)

(2018年3月29日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

https://this.kiji.is/351914102711813217?c=92619697908483575