土倉英志 Eiji Tsuchikura

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研究関心

  • 理論・方法論的関心:状況論、社会-文化的アプローチ、言説心理学、生態心理学

  • 関心のある活動・現象:創造性・創作活動、経験による学び・創造による学び、コミュニティデザイン・ソーシャルデザイン

自己紹介

  • 「人の心をどのようなものととらえるのか」「人の心にどのようにアプローチするか」にはさまざまなスタイルがあります。また、「人を人たらしめているものが何なのか」についてもさまざまな考えがあります。

  • 私は、人が歴史を継承しながら文化を育む存在であることに関心をもっています。こうした関心から、それを可能にしている、誰かが作ったものやことを受け継ぐこと(学習)、それを踏まえて何か新しいものやことを生みだしたり見いだしたりすること(創造)を研究しています。

  • もちろん、人はつねにこれらに「成功」しているわけではありません。歴史を継承しそこなったり、何かを生みだせないことも多いでしょう。いずれにしても、その契機にはまだたくさんの秘密があります。

  • 文化的な現象の「創造」と「学習」をとらえるにあたって、私は、人が周囲の他者や資源との関係のなかで行為をする存在であることを重視しています。こうした視点は、心を、「体の内側にある得たいの知れないもの」、あるいは「機械仕掛けの人形を動かす何か」ととらえる見方とは異なるものです。後者の視点を、スマートフォンのなかみを詳しく調べることになぞらえるならば、前者の視点は、何らかのことが起こるにあたって、スマートフォンがどのように役立っているのか、あるいは、制約になってしまっているのかを調べることになぞらえられるかもしれません。

  • 上記の関心・視点のもと、研究では、人びとが活動をおこなっている様子を見せてもらったり、活動についてお話をうかがったりしています。

略歴

  • 首都大学東京大学院 人文科学研究科 博士課程(心理学専攻) 単位取得退学

  • 博士(心理学)(首都大学東京)

所属学会

  • 日本グループ・ダイナミックス学会

  • 日本認知科学会

  • 日本質的心理学会

  • The International Society for Cultural and Activity Research (ISCAR)

著書

  • 土倉英志 2012 比較と分類:比べ並べるための文化的デバイス,茂呂雄二・有元典文・青山征彦・伊藤崇・香川秀太・岡部大介(編)『ワードマップ 状況と活動の心理学:コンセプト・方法・実践』,新曜社,pp.96-103.

  • 土倉英志 2008 好きになる理由,リーダーシップ,社会的ジレンマ,囚人のジレンマ,くり返しのある囚人のジレンマ,青木紀久代・神宮英夫(編)『徹底図解心理学』,新星出版社,pp.70-71,74-81.

論文(第1著者)

  • 土倉英志 2020 変わりゆく実践研究と実践研究における研究者の役割―サイエンスカフェの実践研究のエスノグラフィ,認知科学,27(2),192-205.

  • 土倉英志・光安アパレシダ光江・徳増幸雄 2019 初年次教育プログラムの開発に関する一考察,浜松学院大学学習支援センター紀要,10,1-37.

  • 土倉英志 2017 創作プロセスと創作におけるプランの役割のモデル構築―相互行為論にもとづく集団創作活動のフィールド研究,首都大学東京博士学位論文(未公刊)

  • 土倉英志 2016 「舞台裏への関心」という学び―サイエンスカフェの企画・運営を通じて達成される学びの実践研究,認知科学,23(3),285-296.

  • 土倉英志 2015 創作活動に向けた資源の準備の検討―映画制作のフィールド研究,認知科学,22(1),23-36.

  • 土倉英志 2014 サイエンスカフェの創作プロセスの検討―2013年度のゼミナールの報告,浜松学院大学教職センター紀要,3,31-54.

  • 土倉英志 2014 行為と資源の調整された関係性として日常を理解すること―機能システムの発達という視点,認知科学,21(1),155-172.

  • 土倉英志 2014 ビデオデータに示される相互行為の痕跡を理解すること―観光者の相互行為に焦点をあてて,質的心理学フォーラム,5,103-107.

  • 土倉英志 2013 科学講座の創作プロセスの検討―公民館講座の報告,浜松学院大学教職センター紀要, 2, 43-63.

  • 土倉英志・勝谷紀子・文野洋・亀井美弥子・青木弥生 2013 体験の縁取り―乳幼児ふれあい体験における学びから,浜松学院大学研究論集,9,137-147.

  • 土倉英志 2010 創作プロセスにおけるプランの役割の検討:映画撮影のフィールド研究, 認知科学, 17(4), 713-728.

  • 土倉英志・亀井美弥子・文野洋 2009 学んだことと学びかたの関連について―保育体験の参加者の学習, 東京都立大学心理学研究(首都大学東京心理学研究), 19, 13-25.

  • 土倉英志 2008 リアリティの構成過程と語り資源の歴史的変化, 東京都立大学心理学研究(首都大学東京心理学研究), 18, 1-19.

  • 土倉英志 2007 〈のなかでの意味〉と〈についての意味〉―心理学が扱う2つの意味の違い, 東京都立大学心理学研究(首都大学東京心理学研究), 17, 9-25.

  • 土倉英志 2006 体系を描くことに向けて―状況論的視点から, 東京都立大学心理学研究(首都大学東京心理学研究), 16, 51-64.

  • 土倉英志 2006 痕跡の消去という視点―映画撮影実践から, 日本認知科学会「教育環境のデザイン」分科会研究報告, 12(1), 18-26.

論文(第2著者以降ほか)・その他 (一部)

  • 土倉英志 2021 書評(上平崇仁 (2020). コ・デザイン:デザインすることをみんなの手に NTT出版),認知科学,28(4),653-654.

  • 土倉英志 2020 プロセスを生け捕りにするのがむずかしい理由,認知科学,27(4),504-505.(招待あり)

  • 土倉ゼミナール 2016 新たなサイエンスカフェの企画に向けた検討と提案―今年度の問題点から人びとの交流の促進を模索する―(2015年度土倉ゼミナール活動報告書),1-8.(未公刊)

  • 土倉ゼミナール 2015 ワークショップ型学習における「学びのきっかけ」の探索的検討―学生によるサイエンスカフェの企画・実践を中心とする研究,平成26年度ゼミ学生地域貢献推進事業成果報告書(一般社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム),81-85.

  • 土倉ゼミナール 2014 学生によるサイエンスカフェの企画・実践を中心とする研究,平成25年度ゼミ学生地域貢献推進事業成果報告書(大学ネットワーク静岡),31-35.

  • 沼崎誠・土倉英志・工藤恵理子 2004 特性推論における状況的な阻害情報の同化効果と割増効果,東京都立大学人文学報, 347, 23-36.

学会発表(第1発表者)

  • 土倉英志 2022 場とつながる人生―コミュニティカフェのオーナーの語りから,日本質的心理学会第19回大会プログラム抄録集,33-40.会員企画シンポジウム 主体性をとらえなおす―社会文化的視点から(話題提供)

  • 土倉英志 2021 文脈をなぞる―フィールドの知と文脈依存性,日本質的心理学会第18回大会プログラム抄録集,49-50.会員企画シンポジウムS-5 フィールドでの経験と研究―その関係性や葛藤、わたしたちはそこで何を見つけるのか(話題提供)

  • 土倉英志 2021 居場所はどのように構造化されるのか―構造と成り立ちの把握に向けた探索的検討,日本グループ・ダイナミックス学会第67回大会発表論文集,71-72.(口頭発表)

  • 土倉英志 2020 実践研究という経験学習,日本質的心理学会第17回大会プログラム抄録集,29-30.会員企画シンポジウム3B 実践と研究のあいだで―その関係性や葛藤、わたしたちはそこで何を見つけるのか(話題提供)

  • 土倉英志 2019 変わりゆく実践研究、変わりゆく研究者,日本認知科学会第36回大会発表論文集,468-471.OS4:実践しながら研究する:認知科学とソーシャルデザイン(話題提供)

  • 土倉英志 2018 ラウンドテーブル「対人援助職のキャリア発達と学び」(ファシリテーター),日本発達心理学会 第29回大会.

  • TSUCHIKURA, E. 2017 Learning about “offstage interests” acquired through science cafe activities, A poster presented in Structured Poster Session at ISCAR 5th International Congress(August, 2017, Quebec, Canada)

  • TSUCHIKURA, E. 2014 "Edging of experience" in learning childcare: Interactions between childcare professionals and students learning childcare, A poster presented at ISCAR Congress 2014(Sydney, Australia)

  • 土倉英志 2014 サイエンスカフェの企画・運営を通じて達成される学び,日本認知科学会第31回大会発表論文集,29-30. ワークショップ「学習を再定義する―歴史と協働の中の学びへ」(話題提供)

  • 土倉英志 2014 サイエンスカフェの企画・運営は学生にどのような学びをもたらすのか―「消去された痕跡の復元」という学び,日本発達心理学会第25回大会発表論文集,88. ラウンドテーブル「文化」と「学び」について考える―文化的活動への参加と学び(話題提供)

  • 土倉英志 2012 援助行動が異性からの好意度に及ぼす影響,日本グループ・ダイナミックス学会第59回大会発表論文集,226-227.

  • TSUCHIKURA, E. 2011 Developing norms : Creative process of movie shooting, A poster presented at ISCAR Congress Rome 2011(Rome, Italy)

  • 土倉英志 2009 リフレクシブな状況の定義―映画撮影とはどのような実践なのだろうか,日本社会心理学会第50回大会・日本グループダイナミックス学会第56回大会合同大会発表論文集, 376-377.

  • 土倉英志 2009 ワークショップ「知覚の文化的デザイン」 日本認知科学会第26回大会(指定討論)

  • 土倉英志 2008 体験の縁取り―乳幼児ふれあい体験における学びから,日本教育心理学会第50回総会 自主シンポジウム「体験による学び」を考える(2)(話題提供)

  • 土倉英志 2007 経験と言葉が出会うとき―乳幼児ふれあい体験における学び,日本教育心理学会第49回大会 自主シンポジウムC-1「「体験による学び」を考える」(話題提供)

  • 土倉英志 2007 科学的知識とリアリティのデザイン,ISCAR第1回国際アジア大会・日本大会 セッション6-1A「リアリティのデザイン―何かを見て何かを見ないテクノロジー」(話題提供)

  • 土倉英志 2007 観光場面で利用されるリソースの検討,日本グループ・ダイナミックス学会第54回大会発表論文集, 136-137.

  • 土倉英志 2006 志向対象の変化とその意味―映画撮影とはどのような実践なのだろうか,日本グループ・ダイナミックス学会第53回大会発表論文集, 198-199.

  • 土倉英志 2005 痕跡の消去という視点―映画撮影実践から,日本認知科学会第22回大会 DEE企画「意味の交渉としてのフィールド」(話題提供)

  • 土倉英志 2005 「観客にみせる出来事」の組織化―映画撮影とはどのような実践なのだろうか,日本グループ・ダイナミックス学会第52回大会発表論文集, 138-139.

  • 土倉英志 2004 映画撮影とはどのような実践なのだろうか,日本グループ・ダイナミックス学会第51回大会発表論文集, 188-189.

  • 土倉英志 2003 ディブリーフィング場面に見られること,日本グループ・ダイナミックス学会第50回大会発表論文集, 258-259.

学会発表(企画者、第2発表者以降ほか)(一部)

  • 土倉英志(企画)2022 主体性をとらえなおす―社会文化的視点から,日本質的心理学会第19回大会,会員企画シンポジウム(日本認知科学会教育環境のデザイン分科会企画)

  • 土倉英志・郡司菜津美(オーガナイザ) 2022 学びに迫る概念の再検討―文化的実践における認知研究の相互理解に向けて,日本認知科学会第39回大会(日本認知科学会教育環境のデザイン分科会企画) 

  • 土倉英志(企画) 2021 フィールドでの経験と研究―その関係性や葛藤、わたしたちはそこで何を見つけるのか,日本質的心理学会第18回大会,会員企画シンポジウム(日本認知科学会教育環境のデザイン分科会企画) 

  • 土倉英志・郡司菜津美(オーガナイザ) 2021 文化的実践における認知研究の相互理解に向けて―理論や世界観と知見の関係を探る,日本認知科学会第38回大会抄録集,28-29.(日本認知科学会教育環境のデザイン分科会企画) 

  • 土倉英志・青山征彦(企画) 2020 実践と研究のあいだで―その関係性や葛藤、わたしたちはそこで何を見つけるのか,日本質的心理学会第17回大会,会員企画シンポジウム(日本認知科学会教育環境のデザイン分科会企画)

  • 土倉英志・郡司菜津美(オーガナイザ) 2020 文化的実践における認知研究の相互理解に向けて,日本認知科学会第37回大会,オーガナイズドセッション(日本認知科学会教育環境のデザイン分科会企画)

  • 沼崎誠・土倉英志 2003 特性推論における状況情報の同化効果と割引効果-Gilbert, Pelham, and Krull(1988)の実験状況でも同化効果は生じるか? 日本社会心理学会第44回大会発表論文集, 648-649.

競争的資金

  • 2021~2023年度 日本学術振興会・科学研究費助成事業・基盤研究(C)(研究課題:中堅保育者クライシスの検討:中堅保育者におけるキャリア形成と家族形成の悩みや葛藤)(研究分担者。研究代表者:若尾良徳)

  • 2019~2022年度 日本学術振興会・科学研究費助成事業・若手研究(研究課題:社会関係資本の醸成に寄与するコミュニティカフェの特性に関するフィールド研究)(研究代表者)

  • 2015~2019年度 日本学術振興会・科学研究費助成事業・基盤研究(C)(研究課題:保育職のキャリア形成と結婚・家族形成のライフコース経路とその促進・阻害要因)(研究分担者。研究代表者:若尾良徳)

  • 2014年度 ふじのくに地域・大学コンソーシアム ゼミ学生地域貢献推進事業助成金(研究課題:ワークショップ型学習における「学びのきっかけ」の探索的検討―学生によるサイエンスカフェの企画・実践を中心とする研究)(研究代表者・指導教員)

  • 2013年度 大学ネットワーク静岡 ゼミ学生地域貢献推進事業助成金(研究課題:学生によるサイエンスカフェの企画・実践を中心とする研究―対話を通じた科学に関する学びに焦点をあてて)(研究代表者・指導教員)

社会的活動

  • 2020年~ 日本認知科学会教育環境のデザイン分科会 (DEE) 主査として担当

・・2021年 岡部大介著「ファンカルチャーのデザイン」を愉しむ会(DEE企画)(11/21)

・・2020年 伊藤崇著「大人につきあう子どもたち」合評会 企画・運営(DEE企画)(10/31)

  • 2015年~2017年度 日本質的心理学会研究交流委員として担当

・・2017年 ワールドカフェ「「質的研究にたいするとまどい」を語ろう」企画・運営(研究交流委員のメンバーとして協働で担当)(9/8)

・・2017年 日本質的心理学会 研究交流委員会・保育教諭養成課程研究会の合同企画シンポジウム「保育者が抱える困難と望まれるサポートを考える―保育者、養成校教員、研究者の対話を目指して―」を企画・開催(研究交流委員として担当)(10/21)

  • 2016年度 「つながりのワークショップ―自由に語ってひろがる世界」実施(全8回)

  • 2012年~2015年度 浜松市と浜松学院大学の連携事業(「大学生による講座」として科学講座やサイエンスカフェを実施:tsuchikulab)

・・2012年度:科学っておもしろい!―日常に身近な実験や工作を通じて学ぶサイエンス講座(全3回)

・・2013年度:心理学を語ろう―大学生による心理学をテーマとしたサイエンスカフェ(全6回)

・・2014年度:意外と身近な心理学―楽しみながら学ぶサイエンスカフェ(全6回)

・・2015年度:半歩先ゆく心理学―楽しく学んで語ろうサイエンスカフェ(全5回)

  • 2011年 第19回 浜松市民アカデミー講師「ステレオタイプの心理学―他者を判断することのむずかしさ 」(全1回)

  • 2008年~2010年 武蔵野大学 環境マネジメント専門家養成講座 講師(担当:監査技術論)(第3期~第5期)

  • 2006年~2009年度 乳幼児ふれあい体験ワークショップ 運営・調査実施