災害リハビリテーションとは、災害によって身体的・精神的に障害を受けた人々が一日も早く自立した生活を送れるよう、リハビリテーション専門職が行う支援活動です。
災害では身体的・精神的な障害だけでなく、生活環境の変化や社会的孤立等で運動不足や活動量の低下によって生活が不活発になったり、災害によって引き起こされた二次的な原因で生活不活発病(深部静脈血栓症、誤嚥性肺炎等)や、心筋梗塞、脳卒中等の急性心脳血管疾患、感染症で亡くなる災害関連死が問題になっています。
災害リハビリテーションでは、以下のような支援が行われます。
・身体的・精神的な障害の評価・診断
・生活環境の評価・整備
・嚥下や食事環境、栄養状態の評価・整備(ミールラウンド)
・リハビリテーションプログラムの作成・実施
・福祉用具の提供・調整
・社会復帰に向けた支援
災害リハビリテーションは、発災直後から復興期まで、被災者の状況に応じて段階的に行われることが重要です。
発災直後には、避難所や仮設住宅での生活に必要な支援が中心となります。具体的には、移動や自立生活に必要な動作指導、生活用具の提供、感染症やうつ症状の予防などが実施されます。
復興期には、社会復帰に向けた支援が中心となります。具体的には、就労支援や教育・福祉サービスへの案内、コミュニティの再建などが実施されます。
災害リハビリテーションは、被災者の早期自立と社会復帰を実現するために、重要な役割を果たしています。