安藤 俊哉
京都大学 白眉センター 特定准教授
所属部局:京都大学農学研究科応用生物科学専攻(大門高明教授研究室)
安藤は京都大学白眉センターで研究チームを主宰しています。
現在、日本学術振興会の特別研究員の受け入れ募集中です。
以下に記載した研究内容に興味を持ち、多細胞生物が示す適応的な形態の進化的起源に迫る研究を進めていく気概がある方の応募をお待ちしております。
私たちの研究チームでは、昆虫を題材に美しくも機能的な適応的な形態(適応形態)の進化的起源に迫る研究を進めています。
「美しくも(幾何学的・物理化学的な制約)、適応的な(環境からの制約)、形態(歴史的制約)」 に着目することで、
形態進化に関わる3つの異なる制約がどのように作用してせめぎ合い、地球上に繁栄する多細胞生物の多様な体の形が進化する/してきたのかを理解することを目指しています。
現在2つの研究プロジェクトを進めています。
テントウムシの斑紋多型の進化可能性の分子基盤
1つ目に着目している適応形態は、テントウムシの翅の幾何学的な斑紋です。同種内に200種類以上の斑紋を有するナミテントウHarmonia axyiridis及びHarmonia sister species(クリサキテントウ Harmonia yedoensis・オオジュウゴホシテントウ Harmonia dimidiata・ヤホシテントウHarmonia octomaculata)を用いた、幾何学的な斑紋形態の多様化の進化遺伝学的な起源に迫る研究を進めています。
これまでに、複数のナミテントウ系統のゲノム解読を行い、斑紋多様化の鍵となる遺伝子座(pannier)において遺伝子サイズが拡大するとともに、染色体再編成が繰り返されてきた歴史を明らかとしました。(Ando et al., 2018, https://doi.org/10.1038/s41467-018-06116-1)
現在、ナミテントウで確立してきた遺伝子組換え技術・ゲノム編集技術(Nakamura, Ando et al. 2025)を駆使して、数百万年~千万年前にに生じた染色体再編成を実験室内で再構成するとともに、染色体の3次元構造の再編成が適応形態の進化に与える影響を検証しています。
また、種内多型が著しいナミテントウと、多型性が低い集団を要するクリサキテントウ、オオジュウゴホシテントウ、ヤホシテントウとの比較ゲノム解析を通して、pannier遺伝子が持つ多型の進化可能性の分子基盤を解明する研究にも取り組んでいます。
昆虫固有の細胞内クチクラナノ結晶の進化的起源
2つ目に着目している適応形態は、シジミチョウやクチブトゾウムシに見られる昆虫固有の構造色発色性の細胞内クチクラナノ結晶(フォトニック結晶)の形態です。電子顕微鏡レベルで初めて見えてくる、細胞内のミクロな適応形態の進化的起源に迫る研究を進めています。
現在、人工飼料を用いた飼育系(Araki, Matsubayashi and Ando, 2025)を確立したモデルゾウムシ(スナムグリヒョウタンゾウムシ Scepticus tigrinus)を用いて、遺伝子操作技術やゲノム情報の開発・整備を進めることで、ミクロな形態の発生遺伝学研究を立ち上げています。これらの技術・情報に加えて、最新鋭の電子顕微鏡技術・超解像顕微鏡技術を駆使して、構造色発色を担う細胞内フォトニック結晶の構築原理とその進化的起源の解明を目指しています。
2026年4月より、安藤は、東北大学大学院生命科学研究科において研究室を構えます。
大学院生として研究に参画されることを希望される方は、ともに研究を進めていただくことが可能です。
2026年4月入学の願書受付期間・2026年1月5日〜1月16日(入試情報)
特別研究員として研究に参画されることを希望される方は、テントウムシ・ゾウムシをモデルとした実験室での飼育系を活用して適応形質(特に適応的形態)の起源に迫る研究、もしくは、多細胞生物(主に昆虫)の野外集団の集団ゲノミクスを駆使して、種内多型や適応形質の進化的起源に迫る研究をともに進めることが可能です。
分子生物学・ゲノム科学・発生学・遺伝学・進化生物学のいずれかの分野で研究実績がある方が望ましいですが、新しい技術を取り入れて研究を推し進める気概がある方は大歓迎です。
ご興味がある方は以下の方法で、安藤にご連絡ください。
上の「連絡先」のタブのページにある連絡フォームからご連絡ください。