安藤研究室:
チームナミテントウ

生物が持つ美しくも機能的な体の構造の形成原理を昆虫を使って理解する

©️ dany13, 2017. Hypolimnas Bolina Jacintha/Male. Link

安藤 俊哉

京都大学 白眉センター 特定准教授

所属部局:京都大学農学研究科応用生物科学専攻(大門明教授研究室)

安藤は京都大学白眉センターで研究チームを主宰しています。

現在、日本学術振興会の特別研究員の受け入れ募集中です。

以下に記載した研究概要や実験系に興味を持ち、新規モデル生物で新たな遺伝学的解析ツールの開発をしながら研究を進めていく気概がある方の応募をお待ちしております。

〜研究概要〜

私たちの研究チームでは、同種内に200種類以上の斑紋を有するナミテントウを研究対象として表現型の多様化機構の解明を目指しています。

これまでに、複数のナミテントウ系統のゲノム解読を行い、斑紋多様化の鍵となる遺伝子座(pannier)において遺伝子サイズが拡大するとともに、染色体再編成が繰り返されてきた歴史を明らかとしました。(Ando et al., 2018, https://doi.org/10.1038/s41467-018-06116-1)

現在、ナミテントウで確立してきた遺伝子組み換え技術・ゲノム編集技術を駆使して、数百万年~千万年前にに生じた染色体再編成を実験室内で再構成するとともに、染色体の3次元構造の再編成が表現型の進化に与える影響を検証しています。

また、クチクラ硬化後の組織からの細胞抽出プロトコールを駆使して、single cell RNAseqやsingle cell epigenomicsの解析手法を確立しつつあります。

これらの技術を駆使して、斑紋パターンを作り出す赤と黒の色素細胞の分化制御機構の解明及び、色素細胞分化能の獲得進化機構の解明を進めています。

さらに、生物が体の表面に呈する色素によらない色彩(構造色)の発色を担う、分子基盤の解明に取り組んでいます。遺伝学・最新鋭の電子顕微鏡技術・超解像顕微鏡技術を駆使して、構造色発色を担う幾何学的な微細結晶構造の構築原理の解明を目指しています。


大学院生・研究員の募集

安藤は、京都大学農学研究科応用生物科学専攻の大門高明教授の研究室において研究チームを構えています。

大学院生として研究に参画されることを希望される方は、大門教授を受け入れ教員として、ともに研究を進めていただくことが可能です。

特別研究員としては、ナミテントウの上記の実験系を活用する研究であれば受け入れ可能です。また、技術が活用できるようであれば、場合によっては研究対象がテントウムシでなくても構いません。分子生物学・ゲノム科学・発生学・遺伝学・進化生物学のいずれかの分野で研究実績がある方が望ましいと考えております。

ご興味がある方は安藤までご連絡ください。


連絡先

上の「連絡先」のタブのページにある連絡フォームからご連絡ください。