スケジュール
3月16日（日）
14:30 -- 16:30 浅野喜敬 (津山工業高等専門学校)
17:00 -- 18:00 直江央寛 (東京科学大学)
19:30 -- 21:00 自由討論（4 次元多様体論に関する諸問題）
3月17日（月）
9:00 -- 10:00 直江央寛 (東京科学大学)
10:30 -- 11:30 軽尾浩晃 (学習院大学)
お昼休憩
12:20 -- 13:20 軽尾浩晃 (学習院大学)
13:40 -- 15:40 福田瑞季 (MathAM-OIL/東北大学)
16:00 -- 18:00 安田順平 (大阪大学)
19:30 -- 21:00 自由討論（結び目理論に関する諸問題）
3月18日（火）
9:00 -- 11:00 木村直記 (東京理科大学)
タイトル・アブストラクト（五十音順・敬称略）
浅野 喜敬
タイトル：トーラス束を境界に持つ4 次元多様体の相対トライセクション種数について
アブストラクト：境界付き4 次元多様体のトライセクションを1 つ与えると，境界の3 次元多様体のオープンブック分解が 1 つ定まります．このオープンブック分解のモノドロミーも相対トライセクション図式から計算出来るのです が，そのアルゴリズムは少し煩雑です．今回の会では，相対トライセクションの基本的なお話をして，このモ ノドロミーの計算例を幾つか紹介しようと思います．時間が許せば，高橋さん（大阪大）との共同研究の話を 紹介したいと考えております．
軽尾 浩晃
タイトル：スケイン代数の一般化と団代数
アブストラクト：スケイン代数とは有向曲面に対して定まる非可換代数であり, SL(2) 指標多様体の量子化であることが知ら れている. スケイン代数の一般化は量子タイヒミュラー空間や量子団代数とも関わり, 良い相互作用を与えて いる. 本講演では, 曲面由来の量子団代数の性質をスケイン代数を用いて理解できることを紹介する.
木村 直記
タイトル：デルタマトロイドと結び目不変量
アブストラクト：マトロイドはベクトルの一次独立性の概念を抽象化した組合せ構造であり、超平面配置やグラフ理論において用いられる。デルタマトロイドはマトロイドの一般化の一つであり、マトロイドがグラフの一般化とみなせるのに対して、デルタマトロイドはリボングラフの一般化とみなせる。本講演では、デルタマトロイドと結び目不変量の関連について紹介する。
直江 央寛
タイトル：閉4次元多様体のシャドウと分類の手段
アブストラクト：シャドウとは閉4 次元多様体の2-骨格として埋め込まれた単純多面体であり, シャドウがもつ真頂点と呼ば れる点の個数の最小値をシャドウ複雑度という. シャドウ複雑度は閉4 次元多様体の非負整数値の不変量であ るため, それを指標とした4 次元多様体の“分類問題” を考えることができる. 本講演では, このような問題を 扱う際の具体的な方針と手段を講演者の結果を交えながら紹介する.
福田 瑞季
タイトル：2 次元結び目と分岐被覆
アブストラクト：ツイストスパン結び目は古典的な結び目を用いて構成されるため，低次元トポロジーの研究において古くか ら研究されており，特にそのファイバー性は3 次元多様体と4 次元多様体の研究を繋ぐ架け橋として重要な例 になっている．本講演ではその拡張にあたるbranched twist spin をベースに，時間の許す限り現在までの研 究の流れや知られている結果について述べる．ツイストスパン結び目は古典的な結び目を用いて構成されるため，低次元トポロジーの研究において古くか ら研究されており，特にそのファイバー性は3 次元多様体と4 次元多様体の研究を繋ぐ架け橋として重要な例 になっている．本講演ではその拡張にあたるbranched twist spin をベースに，時間の許す限り現在までの研 究の流れや知られている結果について述べる．
安田 順平
タイトル：ブレイド状曲面を用いた曲面絡み目の表示
アブストラクト：ブレイド状曲面は4 次元球体内の曲面であって円板上の分岐被覆構造を持つものである。ブレイド状曲面は ブレイドシステムと呼ばれる代数的な表示やチャートと呼ばれる図式的な表示を持つ。これにより、幾何的な 対象を代数や組み合わせ的な対象としてが取り扱うことが可能となる。本講演ではブレイド状曲面とチャート に関する基礎事項について述べた後、ブレイド状曲面を用いた曲面絡み目の表示について得られた結果を紹介 する。時間が許せば、中村伊南沙氏（佐賀大学）との共同研究によって導入したブレイド状曲面の一般化につ いて紹介する。