沿革
諸輪の囃子太鼓は,愛知県愛知郡東郷町大字諸輪地区に伝わる伝統芸能で,愛知県の三河地方に伝わる「ちゃらぼこ太鼓」の流れをくむ囃子太鼓です。
室町時代の観音堂の開帳に,「太鼓と笛の音,終日,止まず」と記され,当時より囃子太鼓らしきものが演奏されていた記録が残っています。
保存庫に残っている太鼓の胴で最も古いものが 文化3年(1806年) のものであり,現在のような囃子太鼓として,約200~300年の伝統があると言われています。
元々,囃子太鼓は,上組(北部),下組(中部),林組(南部) の3つに分かれていました。
上組・林組は 豊田の古瀬間 より伝えられた 大岡流 で,下組は暫く時を経て 三好の新屋 より伝えられた 富永流 とされています。
祭では,それぞれの組が合戦的に打ち合い,競い合うことで太鼓の技術は大きく発展しました。
最も隆盛だったのは 大正 から 昭和初期 にかけてで,大正時代に林組の囃子台が,昭和4年に上組の囃子台が,昭和11年に下組の囃子台が作られました。
昭和45年,囃子太鼓保存会が設立され,上組,下組,林組が一緒になって囃子太鼓の継承を行うようになり,夏祭りに子供も太鼓を叩くようになりました。
昭和54年,愛知県愛知郡東郷町の無形文化財に指定されました。