文責 経緯:【セカイ市民】 序文・総括:【猫跨ぎ】
11月18日(金)、本会会員【セカイ市民】は駒場祭で開催されたイベント、「ミス&ミスター東大コンテスト」 トークイベントの会場後方でメガホンを用いて「ミスターコン粉砕」の主張を行いました。本記事ではその経緯を【セカイ市民】本人から説明したうえで、私【猫跨ぎ】が本会のミスコン関連の議論の責任者として今回の出来事を総括します。
(文責【猫跨ぎ】)
11月18日(金)駒場祭企画の一つ「「ミス&ミスター東大コンテスト」 トークイベント」は16:00~17:30に、18号館脇の「グランドフェスティバルステージ」にて開催されていた。
17:00くらいから、私は当イベントを鑑賞していた。17:15ごろ、司会の「人生最後の日に何をしたい?」というような質問に対し、候補者らがオムライスがどうの、ワンちゃんがどうの、ザ・アイドルトークをしていたのが、なんか逆に面白く、ヘラヘラ笑った。しかし、あと15分で企画も終わりだというのに、期待していた「ミスコン粉砕アクション」の乱入がなく、どうなっているのか【猫跨ぎ】氏に確認したところ、今回は粉砕アクションはないとの情報をもらい、それではバランスが悪いだろうと感じ、私自らミスターコン粉砕アクションでもやろうかと思い至った次第だ。
17:20ごろ、メガホンを調達し、本会の後輩にメガホンを持たせ、私は彼の後ろをマイクをもって闊歩し、一号館ロータリーからトークイベント会場までの屋台列を、「我々は今、ミスターコンのイベント会場に向かっております! 粉砕してきますから。まかしておいてくださいよ!」などと言いながら行進した。道中、道の両脇の学生たちはおおむね笑っていたと思う。そう信じたい……。実際、森見登美彦の小説の移動劇みたいな気分で、とても楽しかった。
8号館の下を通り抜けてトーク会場に突入したのは、17:25くらいだったと思う。私は市場の売り文句のように「はい、ミスターコン粉砕!」「男性性のステレオタイプを押し付ける大会はアカデミアに必要ないぞー、よそでやれーい」などと声を上げました。あとは「傷ついてる人もいるんだぞー、俺とか」みたいなこと言ったかな。トークイベントの司会の坊主の人がめちゃくちゃマイクで反論していたけど、あまり聞こえなかった。でも、あの時があのイベントで一番声出ていたと思う。楽しそうに見えたけど、まあ、私の希望的観測に過ぎないか。
その時にはもう駒場祭委員会の規制は入っていて、後輩は退却を始めたけど、私はまだ何か話していた。それが下の写真。撮影者は我々とは関係ない人で、事件が済んだ後に写真をくれた。
◀一番右が【セカイ市民】。赤いハッピを着ているのは駒場祭委員。その後ろから迫る黒い服の人々が広告研究会。広告研究会の人は、この後増えて、最終的に10人くらいになった。怖かったよ……。
規制に入った駒場祭委員が知り合いだったらしく、後輩は退却を開始。しかし、写真のようにメガホンは依然として会場に向けられていたので、私は話し続けた。「このコンテスト楽しんでいるお前らにも知っておいてもらいたいのさ!」みたいなことを言っていたかな。
そのうち、広告研究会の人々に囲まれた。めちゃくちゃカメラを向けられて、動画やら写真やらを取られた。後輩に引っ張られるようにしてすでに私も退却を始めていたのだが、そんな私に対して日焼けした顔に金のピアスをした男が「マイク切れよ!おい!わかってんだろ?なあ?わかってんだろ?」とか言って、めちゃくちゃキレて来た。「ごめんごめん」と焦りだす私。マイクを切って見せるも、ピアス男はなお「わかってんの?わかってんの?」と佐山聡ばりに繰り返した。「いや、何を?」と思ったが、小便チビりそうなほどビビッていたので、ひたすら逃げた。弱者男性とは俺の事やで、ほんま。
及び腰のまま8号館の下をくぐると、さすがに広告研究会の人たちはいなくなり、駒場祭員会に補導されながら、一号館ロータリーまで「今、粉砕に行きまして。見事に負けました。二人じゃさすがにむりだね」とかメガホンで言いながらトボトボ帰った。メガホンは借り物だったので、某サークルに返した。あとで、そのサークルに駒場祭委員会から注意が入ったらしい。ごめんなさい……。その後は、私は5号館のほうに遊びに行った。当日の経緯は大体こんなところです。
「バランスが悪い」って、リコリス・リコイルの真島かよという感じだが、実際東大はみんな存在しないリコリスを恐れすぎている気がする。正直、ミスターコンが嫌いなのは本音だし。ミス・ミスターコンが開催されるのはこの際仕方がないけど、無事に終わってもらっては癪に触るというかね。こういうのは賛否両論が戦っていてはじめてバランスが取れると思うのだよ。分からないかな? でも、嫌いなだけで反対したのは良くなかったかも? さすがに東大生だし、もっと考えるべきだったか。まあ、総括は【猫跨ぎ】さんに任せます。私はそんなにジェンダーとか詳しくないので。
今回は「闘争の真似をしたら逃走に終わった」という事でどうでしょう。来年は、ミスコン粉砕アクション・カムバック求ム! 私はあんたらをエンパワメントするぜ!
(文責:【セカイ市民】)
以降は、私【猫跨ぎ】の個人的な意見を述べて、本会の総括という事にしようと思う。
まず、60年代のリブの原動力が「怒り」だったことを考えるに、ミスターコンに対する嫌悪感を理由に具体的な行動をとった【セカイ市民】が全面的に悪いとは断罪できない。しかし、彼のとったプロセスに関しては、多くの問題があったことは認めなければならない。その点に関し、本人に反省を促しているし、本会としても謝罪したいと思う。
具体的に、問題のあったプロセスとは、以下のようなものである。まず、駒場祭委員会の定める規則の元運営される学園祭において、メガホンを使った街宣行為を、必要な申請を行わずに実行した点。次に、【猫跨ぎ】の所属するサークルの物品を、目的を詳細に説明せず持ち出した点。さらに、イベントを主催する学外団体「東京大学広告研究会」並びに運営会社「株式会社エイジ・エンタテインメント」と直接のやり取りを経ずに強硬手段に出た点などである。
以上の点について、本会および【セカイ市民】に弁解の余地はなく、申し訳なかったと思っている。
しかし、プロセスに問題はあったとはいえ、彼の行動が一定の問題提起を含んでいることも指摘できる。まず、彼が今回の行為に及んだ理由は、本人曰く「バランスを取るため」であった。つまり、彼はミス・ミスターコンテストが開催されることによって違和感や不快感を持つ人間による反対運動があることによって、救われていたのであり、今回はそれがなかったことに耐えられなかったということである。これは、これまでの粉砕アクションが、ある人には救いになっていたという事を示すものであり、ミスコン反対に対する反対運動が無視した人の存在を示すことにもなった。
また、彼の主張は「ミスターコン粉砕」であった。実際、本会は童貞学研究会であり、社会における童貞の意味を考え、童貞に対してかかる圧力(童貞の窮状)の是正に努めてきた。彼は男性性のステレオタイプを固定化する要素としてのミスターコンを嫌悪しており、その感情が今回の行動につながったのである。
彼の行動はテロだろうか? 非モテによるモテ男への攻撃はしばしば、インセルによるテロだと目されることがある。しかし、彼が今回主張したのはミスターコンというシステムに対する批判であり、特定の個人に対する加害ではなく、行為自体もメガホンによる主張であり、イベントを一部妨害したとしても駒場祭委員会に迅速に対処され、物的被害を与えたわけではない。全体的にあまにりも「しょぼ」過ぎるため、本会の解釈では上のようなテロ行為には当たらないと考える。自由な表現の範疇だろう。
また、感情を理由に攻撃を行うのは、理性のある人間がすべきことではないという批判もあるだろう。それは一部正しいが、リブの原点が怒りだったことや、リブが社会を変えてきたことが事実である限り、感情による運動を一概に否定することはできないと本会は考えている。また、小難しい理屈を盾に運動を行うより、彼のように嫌悪感を理由に運動を行う方が、むしろ好感が持てると思うのは、私だけだろうか。清水晶子は否定しそうだが、千田有紀なら同調してくれそうだというところか。
いずれにしろ、ここで我々にとって大切なのは、彼の行動を一概に責める事ではなく、彼の行動の意味や目的を「ひきとって考える」ことであろう。男性性の固定化が童貞の窮状を作り出したのは事実であり、男性性の固定化を促進する要素としてミスターコンがあるということは、どんなにミスターコンが形式を変えたとしても構造的に不可避であるように私には思われる。
よって、本会のミスターコン関連の議論に関する基本的な姿勢として、さしずめ以下の事項を決定しておきたいと思う。
一、本会は男性の価値を決めるあらゆる圧力を疑い、その圧力を強化するシステムに対しては断固として異議申し立てを行う。
本会はミスターコンの開催に反対する。理由は嫌いだからである。
軟弱者の僻みだというならどうぞ。実際、そうだからな!