國立中山大學

1972年、3名の日本人研究者がルカイ族のある屏東県吉露部落で農業調査を行い、その時に10種類あまりの小米を日本に持ち帰り、栽培と種子の保存を行った。2009年台風第8号(モーラコット台風)で台湾南部の山岳地帯が大きな被害を受けた。吉露の原住民族が平地にある長治百合部落の常設住宅へ移転し、部落で栽培していた小米の品種も失ってしまった。今年、中山大学協力のもと、8品種の小米種子が台湾に送り返され、今日(14日)族民や教師・学生が伝統儀式をもって霧台で種蒔きを行った。50年ぶりに小米が故郷に戻って復興され、日本の品種保存に族民が感動。

小米は原住民族の重要な伝統作物であり、文化継承の精神の象徴でもある。屏東県霧台郷の吉露部落は、中山大学西湾学院などの協力を得て、50年前に3名の日本学者が吉露部落でフィールドワークされ、13品種もの小米の種子を日本に持ち帰っていたことが判明。今年、3ヶ月あまりの時間をかけ、日本側と連絡を取り合い、農研機構遺伝資源研究センターに保存されている8品種の小米の種子が台湾に送り返された。今日午前霧台郷において小米のルカイ族里帰り儀式が暖かく開催された。

小米は台湾原住民族にとって非常に神聖な作物であり、主食であると同時に酒の醸造の原料でもあり、儀式には欠かせない存在である。 霧台郷はこの夏、海を渡って日本から小米の種を迎え入れ、14日には地元長老の立ち会いのもと伝統を取り戻した。立ち会った族民は感謝を伝え、感動の思いを綴った。

台湾原住民(先住民)の伝統料理の食材としておなじみの小米(アワ)は、食材としての役割だけでなく、各部族の文化精神を象徴する重要な文化的意義を持つ。高雄市中心部から車で約2時間ほど走った山岳地帯、ルカイ族が多く暮らす屏東県霧台郷の吉露村では、台風被害で小米の原種が消失してしまったが、過去に日本人研究者による調査で種子が日本に持ち帰られていたことが明らかになり、日台の大学研究機関の協力のもと、このほど日本から半世紀ぶりに吉露村へ返還されることになった。

小米は原住民族の重要な伝統作物であり、文化継承の精神の象徴でもある。屏東県霧台郷の吉露部落は、中山大学西湾学院などの協力を得て、50年前に吉露で採取され、日本に持ち帰り保存されていた8品種の小米の種子を台湾に送り返し、ルカイ族の土地に戻して種蒔きされ、小米の復興や文化継承が期待される。

平成21年台風第8号(モーラコット台風)の被害を受け、屏東県霧台郷に住むルカイ族民が村ごとの移転を余儀なくされた。部落で栽培されてきた小米の品種も農地の破壊で消失してしまった。今年、中山大学の協力のもと、過去に調査で日本に持ち帰られていた8品種の種子が台湾に送り返され、消失していた小米の品種系統が台湾に戻ってきた。