第 71回大会委員長
山中 克夫
このたび、筑波大学で日本理論心理学会第71回大会を開催させていただきます。筑波大学は1973年に「開かれた大学」として発足しました。「開かれた」という点については、お越しいただければすぐ理解していただけると思いますが。大学の広大な敷地と周辺と隔てる門や塀がなく、休日ともなると競技場や運動場には、未来のプロスポーツ選手たちの練習や試合を観るためにたくさんの人が集まっています。また、開かれた環境は我々教員や学生の心にも知らず知らず影響しているようで、学問の垣根を超える学際性や、国や地域の隔てを超える国際性が大学の大きな特色となっています。
会場である総合研究棟Dは学際研究を進めるために作られた研究棟です。周辺は緑が豊かで、私も自然と心がオープンになり、のびのびと仕事をさせていただいております。また、近年、つくば市は「トカイナカ」として、都会ほどせわしくなく、田舎ほど寂しくないことで人気を集め、人口が著しく増加しています。参加者の皆様には大会を通じ、そのような大学や周辺地域の雰囲気を味わっていただければ幸いです。
大会の企画に話を移しますと、理事会からは京都大学の楠見孝先生を中心に「甘え理論」の再考に関するシンポジウムを企画していただきました。大会準備委員会からも、心理学理論の教育・福祉の実践領域への展開や、表情の理解と表出のとらえ方に関する2つの企画を用意させていただきました。大会運営に関しては理事長の繁桝算男先生、帝京大学の實吉綾子先生、和洋女子大学の小沢哲史先生をはじめ、様々な先生方にご協力いただいております。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。準備委員会一同、皆様の参加と発表を心よりお待ちしております。
2025年6月吉日