名古屋を含む中部地域はモノづくりが盛んな地域であり、中でも航空宇宙産業に関連する多くの企業が集中する航空宇宙産業の中心地となっています。本講演会では特に宇宙を観測する衛星に注目し、名古屋大学が関わる3つの天文衛星、X線天文衛星 XRISM (クリズム)、太陽観測衛星 SOLAR-C (ソーラー・シー)、宇宙重力波望遠鏡 DECIGO (デサイゴ) をとりあげ、宇宙開発が切り開く最前線の研究を紹介します。
日 時 2023 年 9 月 18 日(月・祝)13:00 〜 16:00(開場 12:30)
会 場 名古屋市科学館 サイエンスホール
形 式 対面 (200名) とオンライン配信を併用したハイブリッド形式
対 象 中学生以上・一般向け
参加費 無料
参加方法
名古屋市科学館での参加をご希望の方は、こちら (準備中) からお申し込みください
事前申込不要の YouTubeLive オンライン配信 も予定しています
講師 中澤 知洋
名古屋大学 素粒子宇宙起源研究所/大学院理学研究科 准教授
今年日本から打ち上げ予定の宇宙 X 線観測衛星 XRISM (クリズム) は、これまでより30倍も精密な分光ができます。ドップラー効果を用いて、「ブラックホール」から吹き出す光速の3割すなわち秒速10万kmの風、宇宙最大の天体「銀河団」の中を吹き荒れる秒速 500 km 以上の乱流など、激しく灼熱な宇宙の現象の中で「吹き荒れる嵐」の強さを初めて詳しく測定し、ダイナミックな宇宙を探ります。
講師 今田 晋亮
東京大学 大学院理学系研究科 教授
最も身近な恒星である太陽にも、まだまだ未解明の謎がたくさんあります。SOLAR-C (ソーラー・シー) は高空間分解能 (太陽表面で300km)、高時間分解能 (1秒程度)、広い温度範囲 (1万度から数千万度) で観測する極端紫外・紫外域の分光撮像観測装置で、日本が中心となって推進する2020年代に最優先で実現を目指した日本主導の国際協力ミッションです。SOLAR-C を用いて、どのようにして太陽の謎を解明しようとしているかご紹介します。
講師 川村 静児
名古屋大学 大学院理学研究科 教授
重力波の音が初めて聞こえて以来、ブラックホールや中性子星の連星合体からやってくる、いろいろな重力波のメロディーが聞こえてきました。将来的には、宇宙重力波望遠鏡 DECIGO (デサイゴ) により、宇宙の産声を聞き、宇宙誕生の謎に迫ることも期待されています。本講演ではこれまでに聞こえた重力波のメロディーをお聞かせし、また、DECIGO のためのモノづくりについても解説します。