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この物語は、多くの方の経験を参考にさせていただいて創作したフィクションです 


※この物語は、解離性同一性障害をかかえる方たちや、その周囲の方たちの経験を元に創作したフィクションです。特定の人物、団体等をモデルにしたものではありません。


こんにちは、友塚です。今作について、私の説明不足でいろいろと誤解や憶測を招いていたかもしれません。申し訳ありません。


今回、脚本・監督をしている私自身が、解離性同一性障害の症状のある方と過ごす経験があり、とお伝えしていたので、「もしかしてこの人をモデルにした話かな?」と思われた方もいらしたかもしれません。

しかしそうではなく、実在のひとりの方の人生をモデルにした、ということはありません。


私自身が被害者支援の活動の中で学んできたこと、出会ってきた当事者の方たちや、その周囲で接していらっしゃる多くの方たちのお話を参考にさせていただき、それぞれ違う経験でありながらも似ている点や、困っていることなどを抽出し、まったく新しいエピソードとして創作しています。


また、当事者の方の症状はそれぞれで、映画に描かれている症状があてはまる方も、そういう症状はありません、という方もおられます。

それぞれの人格さんを姿が全く違う別の俳優さんたちが演じるといった、実際にはあり得ない演出上の創作なども行っております。

出演もしていただいたNPO法人レジリエンスの中島幸子さんに監修していただいており、概ねこの障害に起こり得ることを描いていますが、フィクションとしてご鑑賞いただければ幸いです。


この映画を作ろうと思ったきっかけ

 

はじめまして、今作の監督、友塚 結仁(ともづか ゆに)と申します。私は、脚本を書いたり自主映画を制作していますが、20年ほど性暴力被害者の支援に携わり、解離性同一性障害の方々と一緒に活動をしてきました。元々は一般企業で働いていたのですが、そこで出会い親しくしていた方や友人が解離性同一性障害の症状があることがわかり、そばにいて学べば学ぶほど、様々な生きづらさを抱えながら、誤解や偏見、さらなる被害にさらされて生きていることがわかってきました。


解離性同一性障害はかつて多重人格と呼ばれ、小説やドラマ、映画などで、裏の顔は殺人鬼、いつ人を襲うかわからない加害者といった描かれ方をされてきたことが多く、障害を抱える人達への偏見や、本人たちの苦しみともなってきました。

しかし実際は、幼少期のトラウマがフラッシュバックのようにおそってきたり、日々の記憶障害による困難、人間関係への悪影響などを抱え、障害につけこまれて傷つきを重ねる人が多いのが現状です。

 

人口の1~2%くらいいると言われています※が、自分でも気づいていなかったり、誰にも言わない人も多く、障害自体があまり知られていません。

そのため、身近にこうした障害を抱えた人がいてもどう接して良いかわからず、意図せず傷つけてしまったり、周囲の人が戸惑い疲弊してしまうこともあります。

 

そこで短編映画として、障害を抱えた人のこうした困難への理解を深められればと思います。

また、障害に気づき受け入れる過程で内部の人格を理解し、チームとして歩み出すという、実際に多くの当事者の方が経験しているポジティブな希望を描きたいと考えました。

 

私自身、映画やドラマなどを見ることで人の心理に共感したり、希望を抱いたり、学んだりしてきたので、映画・ドラマの力は大きいと感じています。

解離性同一性障害の症状についての理解を深めていただくために、ぜひ一人でも多くの方に見ていただければと願っております。

困っている当事者の方、周囲の方にとって「自分だけではないんだ」「困難はあるけれど希望もあるんだ」と感じていただけるものになるよう、精一杯心を込めて作ります。ぜひ応援いただければ幸いです。



・National Library of MedicineDissociative Identity Disorder  Last Update 10/7/2022

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK568768/

・International Society for the Study of Trauma and Dissociation

https://www.isst-d.org/

・Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Text Revision DSM-5-TR

American Psychiatric Association   


解離性同一性障害(DID)、解離性障害とは

性虐待やひどい虐待等をうけ続けると、身体と心を切り離して(解離)自分自身の心を守ることがあります。
解離には、出来事の記憶がなかったり、その時の感情が抜け落ちたように思い出せなかったり、自分を外から眺めているような感覚になったりといった、様々な症状があります。(主に)幼少期に虐待が続くと、その間解離をし続けて自分を守る中で、様々な危機に対処しようと複数の人格が生まれることがあります。これを解離性同一性障害と呼んでいます。

解離の背景には、大きなトラウマがあるため、解離性同一性障害だけでなく、抑うつ、PTSDなどの症状を抱えている方も多く、また映画の中でも描いたように、頭の中で声が聞こえたり(聞こえない方もいます)、幻視(そこにいないはずの加害者が見えたり)といったことがあると、統合失調症と診断されてしまうことがあり、合わない治療でさらに困難を抱える場合もあります。


解離、性暴力、トラウマ等に関する出版物 NPO法人レジリエンス(監修)の書籍紹介サイトに飛びます

https://sites.google.com/view/nporesilience/learning/books


International Society for the Study of Trauma and Dissociation

https://www.isst-d.org/