この記事では、MetaMoJi ClassRoom(以下、MetaMoJi)を初めて使われる先生に、MetaMoJiの特長と注意点を紹介しています。「MetaMoJi(学習支援アプリ)なんて、使わなくてもいいんじゃない?」「使ってみたいけど、何ができるの?」とお考えの先生におすすめの記事です。
MetaMoJiとは、学習支援アプリケーションです。学習ノートを配布できる、生徒の学習をリアルタイムで観察できるなど、さまざまな機能があります。
私が考える、MetaMoJiの一番いいところは、先生が特別な機能を使って、特別な授業や新しい仕事をして、生徒に特別な能力を身につけさせられることではありません。MetaMoJiはカッコイイことをするツールではありません。普段の授業や仕事を簡単にできることが、MetaMoJiの一番いいところです。多くの先生の役に立つと思います。
とはいえ、使い慣れるのにはやはり時間がかかりますし、MetaMoJiを使い始めたばかりの授業では、教材の内容ではなくて、操作方法の説明や質問が多くなってしまうこともあります。「この機能なら使えそうだな」というところから徐々に始めてみてください。
先生のお仕事の中で印刷業務は、かなり大きなウェイトを占めています。私の前任校は一学年360~400人の大きな学校でした。人数分のプリントの印刷には、とても長い時間を費やしました。平均して、一日に30分くらいは印刷していたと思います。学校によっては、印刷業務のために事務員を雇っているところもあり、印刷がいかに大変な仕事なのかわかります。
しかし、MetaMoJiの「配布」機能を使うと、プリントを印刷せずに配布できます。印刷時間は0、とても早いです。
授業で使った学習プリントの回収ならまだしも、週末課題の回収や運搬、返却は大変な仕事です。なぜなら、1、課題をなくす生徒がいる。 2、係が運んでこないと点検できない。 3、出席番号順にならんでいない。 4、提出していない生徒のチェックが面倒。 5、次週までに返却しなくちゃいけないなど。どれも先生のイライラポイントでもあります。
しかし、MetaMoJiで「配布」すれば、回収・運搬・返却の作業はなくなります。課題をなくす生徒もいなくなりますし、係が運んでくるのを待たなくてもよくなります。課題は出席番号順で並んでいますし、未提出者のチェックも簡単です。
これは先生だけではなく、生徒にもうれしいシステムです。その理由は、1、課題がすぐに見つかる。 2、課題がぐちゃぐちゃにならない。 3、係が回収・運搬・返却しなくていいからです。
MetaMoJiの「モニタリング」機能を使うと、生徒の作業をリアルタイムで見られます。この機能を使えば、机間指導や課題のチェックも楽にできますし、クラスの学習の進捗状況を短時間で知ることができます。また、先生が個別に生徒のノートに書き込むこともできます。さらに、この機能でオンライン授業も簡単にできます。
画像や動画は非常に優れた学習ツールで、授業で活用している先生も多いと思います。プロジェクターで映して、生徒に見せたりしますよね。でも、この方法だと、生徒が画像や動画を見られるのは授業中の一回だけで、それ以外のタイミングでは見られません。
ノートの様々な「追加」機能を使うと、画像や動画、webページ、音声なども生徒のノートに残すことができます。生徒は必要な時に、動画を視聴したり、webページを読んだりして学習できます。音読を録音したり、発表や実験の様子を動画で撮影したりして、記録として残しておくこともできます。
MetaMoJiは、講義式の授業や個別学習、グループ学習、クラス学習など、さまざまな場面で活用できます。MetaMoJiの「一斉学習ページ」「個別学習ページ」「グループ学習ページ」「クラス学習ページ」の切り替えで、先生の授業スタイルに合った使い方ができます。
次に、MetaMoJiの注意点を紹介します。
・慣れるまでが難しい……すべてのことでそうだと思いますが、今までとは違うことをするので、慣れるまでは大変です。記事を書いている私も、慣れるまでは苦労しました。先達がいなかったので、「あの機能はどこで使うんだっけ……」と一人で悩むこともありましたし、MetaMoJi様に何度も問い合わせのメールを送りました。使い始めて一か月くらいで、ようやく問題なく使えるようになりました。そのときの、私の経験をもとに作ったのが「MetaMoJiについて学ぶ」です。ICTに慣れていない先生や、ゆっくりMetaMoJiを学んでいきたい先生、MetaMoJiを初めて使う先生には、特におすすめです。動画でも紹介しているので、さらっと見るだけでも、簡単な操作方法や使い道を知ることができます(公務用パソコンでこのサイトにアクセスしていると、動画の位置が見にくいので、動画の紹介文をクリックしてみてください)。また、生徒もMetaMoJiに慣れていかなければなりません。このサイトでは「生徒用のマニュアル」も紹介しているので、そちらも参考にしていただければ幸いです。
・情報モラルの指導が必須……MetaMoJiを使えば、写真や動画を撮って配布することが簡単にできてしまいます。自分が写っている写真や動画を共有されてしまって、嫌な思いをする生徒が出てくると思います。今後は一層、情報モラルの教育を徹底しないといけません。
・(あんまり言いたくないけど、)公式のマニュアルが難しい……MetaMoJi様がweb上で出しているマニュアルがあります。細かいところまでしっかりと書かれているのですが、項目分けが複雑なので、どこに何が書いているのか分かりにくいです。私がこのサイトを作ろうと思ったのは、「マニュアルが難しくて、使いたくなくなっちゃう先生がたくさんいるだろうな」と思ったからです。操作でわからないことがあったら、このサイトの「機能マニュアル」「用途別マニュアル(いろいろな使い方)」「ヘルプ」を参考にしてみてください。
・普段使いの実践事例が少ない……MetaMoJiの公式ホームページでは、MetaMoJiを使った授業が複数紹介されています。しかし、これらは研究授業のようなレベルの高い(格好いい)授業実践ばかりで、つい「難しそうだな」「大変そうだな」と思ってしまうようなものばかりです。実際に使う先生にとってはハードルが高く、「MetaMoJiを使えと言われても、何からやったらいいのかわからない…」「毎日、研究授業みたいな授業をしろってこと?」という状況になっていしまうのがオチです。私ももれなくそう思ったので、悪戦苦闘しました(しています)。その中で、まだまだ未熟ですが、日常の中でMetaMoJiを使えそうな事例を「活用事例(日常)」にまとめてみました。日々、書き足したり修正したりしています。「簡単で、具体的な使い道を知りたい」とお思いの先生におすすめです。
さて、この記事ではMetaMoJiの特長と注意点を紹介しました。最初にも書きましたが、「使えそうだな」と思ったところから使い始めればいいと思います。ゆっくり、焦らず、慣れていきましょう。
下のMetaMoJiの公式サイトでは、このほかにも便利な機能をたくさん紹介しています。MetaMoJiのYouTubeチャンネルでは、MetaMoJiを使った授業や操作方法を紹介しています。この映像に登場する先生はなかなかの上級者なので、彼女の授業を簡単にはまねできません。さらっと見て、参考にしてみてください。