生理を測ることから、生理の意味を理解することへ
生理を測ることから、生理の意味を理解することへ
2. 環境の中で生理を理解する Understanding physiology in ecological context
近年、生理指標がさまざまな野生動物の研究に応用されるようになり、変化する環境の中で動物がどのように生きているのかを、生理学的な視点から明らかにする研究が発展しています。私は、糞や体毛を用いた非侵襲的なホルモン測定手法を用いて、特に人為的に改変された環境で生きる野生動物の生理応答に興味を持ち、これらの環境と生理指標の関係を調査しています。
■都市環境と野生動物のストレス指標の関係 [キタリス]
■農耕地景観と野生動物の長期的なストレス指標の関係 [投稿中]
3. 生理から個体の生き方を理解する Linking physiology to organismal function
長年、ストレスとは何かが議論され、その中心的な生理指標であるグルココルチコイドが、野外環境でどのような意味を持つのかが調べられてきました。しかし、グルココルチコイドは多面的な生理作用を有し、その変化が個体にとって何を意味するのかは、生態学的・生理学的な文脈によって異なります。現代におけるストレス生理学では、この多面性・複雑性をどのように理解するべきかが重要な課題となっています。そこで、私は、野外環境におけるグルココルチコイドの変化が、個体の生き方にどのような意味を持つのかについて調査しています。
■複数の生理指標とグルココルチコイドの関係に関する研究 [論文執筆中]
生理指標を野生動物保全・管理に活用するためには、その値が野外環境の中でどのような意味を持つのかを理解することが重要です。
これらの研究を通して、生理を「測る」ことから得られた知見を、野生動物を「理解し、守る」ことへと繋げていくことを目指しています。