特別メッセージ

絵画は消えて、また続いていく

2020年12月5日

現在の絵画、つまり西洋的な絵画の源流はルネッサンスにあるといわれています。そのルネッサンス以降生まれた絵画の技法が、解剖学だったりする人間のとらえ方、さらには遠近法などの捉え方だったりします。

でも、もともと3次元の世界を2次元の世界である、紙やキャンバスに正確に記述できるわけではありません。つまり解剖学や遠近法などはあくまでも一つの社会の切り口だといわれています。

ところで、今資本主義の世界が行き詰まりを見せています。その一つが過度なグローバリゼーションによる社会のつながりです。これらはコロナウィルスにより一度再考を余儀なくされました。とはいえ社会は全くつながりがなかったわけではありません。古くは川や海をマンモスと渡り、または船で移動し、最近では飛行機やインターネットでつながりました。

これらの社会のつながりはなくなりはしませんが、新たに考え直す必要があるのだと思います。社会からマネーはなくなりませんが、マネーはあくまでも交換の手段の一つです。そしてマネーという国家が保証している貨幣もこのコロナ危機で価値が大幅に崩れるなど危機を迎えました。そして仮想通貨ビットコインなどの台頭等からもわかるように、国家というものの価値が揺らいでいます。

一方で社会は後戻りはできないと思います。人類は様々な形態の変化をしながら、滅びる方向に向かうからです。これはエントロピーの法則からも当然だと思われます。しかし、その過程において、赤ちゃんが、子供になり、少年少女、青年、中年、老人、死へと向かうように色々と変化をしながら進むと思われます。


昨日たまたまアシスタントのみほさんにアフリカの曲を勧められました。この曲を聴いて感じたのは、近代の行き詰まりは、やはり国家主導のグローバリゼーションとマネ―主導の交換経済さらに、マネーですべてのものが満たされるという大きな幻影からきていると感じました。この曲ではアフリカという物質的には何もないけど前向きな感覚を受けました。アメリカのジャズのような闘争の感覚は受けませんでした。つまり、アメリカに代表される力で相手を打ちのめすタイプの世界観ではなかったのです。近代以前の人間の在り方を感じました。

アートや絵画は近代以前の原始的な世界に由来しています。おそらくアートも近代以前の要素を入れながら、最先端のテクノロジーと相まってどんどんと変わったものになっていくと思われます。