作品を制作することは必ずしも理解されることが目的ではない。作品を制作し発表することは実験的なプロセスであり、この作品も文字が書かれていない吹き出し、無表情で感情を読み取ることが難しい人物、何も描かれていない背景などの要素を組み合わせることで鑑賞者の感性を刺激することを意図している。


作品は、純粋に芸術としての魅力を追求する一方で、ナレーションの可能性やストーリー性からの断絶を試みており、従来の表現形式から脱し、これまでの表現とは違う新たな表現を追求したいという思いから生まれている。作品を通して鑑賞者が自分自身と向き合い、アートの魅力を見いだすきっかけになることを私は願っている。