西洋建築史研究・教育鼎談会【全日程終了】

@東大・加藤耕一研究室

本会の概要

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授・加藤耕一先生、ゲストの先生、松井(加藤研学術専門職員)の3名で、特定の個別テーマではなく、西洋建築史という研究領域・教育科目をめぐる一般的な問題について議論するシリーズ企画です。

本会の背景

〇建築史の研究・教育環境の変化の認識

今日の情報化・グローバル化・オンライン化によって、建築史の研究・教育環境には十数年前には考えられなかった変化と課題が生じているように思われる。これらの問題の輪郭をはっきりさせるために、すでに西洋建築史研究者・教育者としての一定の経験をもつ方をゲストに迎え、ゲスト(と加藤先生)の建築史歴を振り返りながら、建築史の新しい課題や可能性、ありかたをめぐる論点を列挙・整理・共有させていただきたい。

 

〇建築史学の共通地平としての建築史教育

とりわけ、高度専門化がますます進む昨今の学術界の例にもれず、建築史領野でも研究対象の時代や地域が違えば、同じ建築史家同士であってもほとんど議論が共有できないという事態が多々ある。こうした建築史学の離散的状況において、建築史家たちの共通のトピックとなりうるもののひとつが建築史教育である。建築史研究者は、個々人の専門研究においてはさまざまに異なるテーマを扱いつつも、建築史教育者としては「西洋建築史」や「近代建築史」、「日本建築史」といった共通のフォーマットにおいて、たいていの場合は通史というかたちの教育を行っている。一方で建築史教育というトピックについては、長らく個々人によって孤立的に取り組まれ、共通の議題として精緻に議論されてこなかった感がある。こうした状況を鑑みて、今後の建築史学の共通地平として建築史教育を取り上げるにあたって、どのような論点や問題がありうるのかについてゲストの先生と一緒に議論させていただきたい。

 

〇全国の建築史関係者を対象としたアンケート調査計画

松井を含む若手建築史研究者による「建築史教育研究会」(次頁参照)では、来年度以降に日本全国の建築史関係者を対象としたアンケート調査を行う計画である。こうした建築史関連の全国調査はすでにイタリア(2017)やアメリカ(2020)に先例があるが、各国の文化や建築(史)学の成立・展開過程によって調査内容(項目や分析事項)が大きく異なっている。我が国でこうした全国調査を行う場合も、日本の建築史文化の固有性を踏まえたフォーマットを考える必要である。この点についてゲストの先生からもご意見・ご助言をいただきたい。 

日程とゲスト【全5回終了】

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