Research

ヒトにおける記憶固定に対する睡眠の因果的役割

もし、これまでの記憶がなくなってしまったら、または、これからの出来事を覚えることができなくなってしまったら、わたしたちはこれまでのわたしたちのままでいられるでしょうか?

記憶はわたしたちを支える非常に重要な脳機能の一つです。ここでは記憶に関する研究の一つをご紹介いたします。

我々の研究室では、「睡眠中の自発的な脳ネットワーク活動が日中に経験した事柄を記憶するのに貢献している」という仮説のもと、研究を進めています。

脳活動計測としてはfMRI(機能的磁気共鳴画像法)とEEG(脳波)を融合した高時空間分解能計測を行います。睡眠時に現れる記憶関連活動を検出し、その活動をtCS(経頭蓋電流刺激)によってブーストすることで、記憶の固定が促進されるかを検証しています。

多くの共同研究者と共に研究を展開していますが、特に高知工科大中原教授の研究室とは人的交流や研究機材の相互使用などの点で密接にコンタクトをとっています。

サルにおける記憶固定に対する睡眠の因果的役割

新潟大学の長谷川教授と共同で、サルにおいても睡眠と記憶固定に因果的関係があるのか検証するプロジェクトを進めています。