TAKANO Atsushi
伝統知と近代知を組み合わせ、より良い建造環境の創出へ向けた多様な解を考える研究室
"環境"を切り口に、建築や都市のより良いデザインを考える研究室です。万物にとって好ましい環境を創ることが建築学の普遍的な目標です。本研究室では、資源・材料・構法・建築・都市を横断する研究活動、研究で得た知見に基づく設計活動、次代を担う人材を育成する教育活動により、その目標にアプローチします。環境に関する種々の課題に対し、自由な精神で向かい合い、解決策を見出し、それを社会に実装することを目指します。
"半士半農"を理想に掲げ、建築設計や建設作業、実測・実験から理論的な研究、教育やボランティア活動など、グループとして様々な経験を積むことを心がけています。
⚪︎空き家の再資源化に関する研究
⚪︎建造環境の包括的な環境評価に関する研究
⚪︎竹集成材の建材利用へ向けた基礎的研究
竹は、古来より日用品や建築材料として身の回りに溢れているものでしたが、昨今のプラスチックの普及などでその姿を消しつつあり、結果として放置される竹林が増加し社会問題となっています。木材需要が高まる中、木材に代替される建築材料の必要性が叫ばれています。そうした背景の中、竹を竹集成材として加工し構造材としての利用を促進するべく、竹集成材の構造特性や、環境に与える影響について研究を行っています。
⚪︎伝統的な建築技術の環境負荷
伝統的な建築は時代や地域によって限られた資材を用いて、文化や気候条件に応じた住環境が形成されてきました。
また、CO2削減が社会共通の問題となっている近年、CO2削減に向けた取り組みの一つとしてライフサイクルCO2評価の重要性が認識されています。近代的な建築技術や材料に加え、伝統的手法から得られる手がかりを統括することにより、より合理的で持続可能な建築の発展を目的としています。
⚪︎多機能CLTの開発
CLTは、隣り合う層ごとのラミナを繊維方向が直交するように積層接着した木質系木材です。森林資源の積極的な活用が世界的に進められる中、CLT(Cross Laminated Timber)に代表される木の「塊」としての利用が注目を集めています。そのような特徴を活かし、各ラミナの性能を最大限に高め、構造・耐火・断熱・調湿・美観等の多機能、付加価値の高い建材として改良することを目標として研究を行っています。
⚪︎伝統建築を参照した新しい木質工法の開発
2017年より、北園製材所と共同し、ライフサイクルハウス(LCH)プロジェクトを行っています。LCHとは、木材の特性を最大限に活かし、人にも自然にも最適な住宅を提案する新しい木質構法です。Jログ工法という、伝統構法と在来軸組構法の良いところをハイブリットさせた工法を基盤とし、木材の利用促進の社会的な展開を図っています。現在は、Jログ工法を用い、建物の組み立てや解体を容易にできる状態にし、普及させることを目標として研究を行っています。
⚪︎建築空間とこどもの振る舞いに関する研究
⚪︎児童向け建築教育プログラムの実践と効果の検証
急速に発展していく現代社会において、子どもたちがよりよい未来を自ら切り開いて行くための力として「創造的思考力」が重要視されており、それを育む手段として建築教育は非常に有用だと言われています。本研究では、世界や全国で行われている建築教育・教材を調査し、現在の建築教育の事例を体系化し、教育目的を効果的に果たすことのできる建築教材を開発することを目標にしています。
⚪︎屋内熱負荷の最適化に基づく建物設計支援ツールの開発
住宅・建築物におけるエネルギー消費量が著しく増加している現代において、持続可能な社会の構築に向け、建築分野においてこれまで以上に環境に対する配慮が求められています。本研究では、最適化手法を用いて、敷地周辺の気候や隣地などの影響も含め、建物内部の熱負荷が最適となる建物配置、形状、外皮性能、開口を導出する設計支援ツールの開発を行っています。設計の初期段階に複数のモデルを提示することで、設計者の知識や経験に左右されず、設計の自由度も損なうことなく環境負荷に配慮した建物の設計を可能にすることが期待されています。
⚪︎森林資源の流通調査
森林資源の流通は、素材供給側の川上から需要側の川下、さらに廃棄物処理まで連鎖的に関連しています。本研究の目的は、森林資源の流通を「森林」「製造」「建築」「廃棄」の4つの分野に分類し、主に建築利用に着目して、森林資源の動向を明らかにすることです。また、CO2排出、炭素固定や市場価値など環境的側面・経済的側面からも分析し、問題点や今後の可能性について研究を行っています。
2025.04~
D3
満園大翔
M1
犬丸祥江・江口凱士・瀬尾真美・中尾優磨・三木悠真
協働
Bo Causer
M2
清藤彩音・永渕涼佑・古川光星・山口豊・朱芷萱
B4
木下深琴・五島悠希・佐藤美来・寺尾夏生 ・土工駿将・堀哲朗
Smart Decline : 建造環境の賢明な縮小
学士論文
空き家の再資源化に関する研究 -木造住宅の全解体時の環境負荷及び経済性の評価-
修士論文
建造環境の包括的なLCCO2評価 -主要な影響要素に着目した住宅街区のシナリオ評価-
伝統的な建築技術の環境負荷 -焼杉を用いた外装のカーボンフットプリント-
伝統構法のカーボンフットプリント / ハンドプリント -フィンランドのサウナ建築を対象として-
建造環境の包括的なLCCO2評価 -住宅団地の一街区を対象としたシナリオ評価-
伝統的な建築手法の環境調節機能に関する考察 -熱的緩衝空間による屋内温熱環境の調節効果の建築実証-(修士設計)
CFDシミュレーションによる伝統的な建築手法の考察 -薩摩「二つ家」をモデルとした住宅の外部風環境-
学士論文
建造環境の包括的なLCCO2評価システムの研究 -建物・外構要素・道路を含む住宅団地一街区を対象としたシナリオ評価-
伝統的な建築手法のカーボンフットプリント/ハンドプリント -茅葺き屋根の評価-
伝統的な外構要素のカーボンフットプリント/ハンドプリント -焼杉板の評価-
伝統的な外構要素のカーボンフットプリント/ハンドプリント -生垣・石垣の評価-
建造環境の包括的なLCCO2評価システムの研究 -外構要素原単位データベースの作成-
伝統建築における環境調整手法の考察 -フィンランドのスモークサウナの構成-
伝統的な建築手法の環境調整機能に関する考察 -縁側等の緩衝空間の温熱環境に及ぼす影響の比較
瓦屋根の熱的特性に関する実験的研究
日本の伝統民家における環境調整手法の考察
Traditional Knowledge : 伝統知に基づく古くて新しい建築
修士論文
竹集成材の建材利用に向けた基礎的研究 -製造段階のカーボンフットプリント/ハンドプリント-
竹集成材の構造利用に向けた基礎的研究 -材料強度試験とビス接合部せん断強度試験に基づく特性値の算出-
学士論文
竹集成材の構造利用へ向けた基礎的研究 -材料強度とビス接合部せん断強度試験-
修士論文
多機能CLTの開発 -高断熱・燃え止まり型木質耐火構造部材の検討-
多機能CLTの開発 -スギ加工ラミナによるCLTの断熱性能の改善可能性-
多機能CLTの開発 -スギ加工ラミナと異種ラミナを用いたCLTの耐火性能の比較検証-
多機能CLTの開発 -一体型多機能CLTパネルの構造・耐火・断熱性能の比較検証-
多機能CLTの開発 -耐火性能と断熱性能の比較検証-
学士論文
多機能CLTの開発 -小片ラミナの検証-
多機能CLTの開発 -遅燃断熱層の燃え止まり方の検証-
多機能CLTの開発 -スギラミナへの有孔加工による断熱性能の向上可能性-
CLTの多機能化に向けた耐火性比較実験
CLTの多機能化へ向けた熱性能に関する実験的検討
合理的なCLT構法の多角的考察
CLTの多機能化へ向けた多角的考察
修士論文
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発 -LCAによる材料製造段階のマルチクライテリア評価-
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発 -要素試験による嵌合接合部の比較検証-
学士論文
タイニーハウスの考察 -1990年以降の事例を対象として-
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発 -積層材間のせん断面数が及ぼす構造性能への影響-
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発 その4 -Jログ工法による建物の温熱性能の考察-
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発 その3 -カーボンフットプリントの評価と比較-
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発 その2 -嵌合接合によるマッシブホルツパネルと軸組で構成される耐力壁の面内せん断試験-
伝統建築を参照した新しい木質構法の開発 -木質接合具を用いたログ工法部材と軸組で構成される耐力壁のせん断性能試験-
Regenerative Education : 建築の力による次世代教育
修士論文
総合的な学習ツールとしての建築教育の考察 -中等教育段階を対象とした効果の観察-
学齢期における建築教育の現状と傾向 -図式化による教科用図書の分析-
学士論文
建築空間と子どものふるまいに関する考察 -保育園における日常的な動作の観察-
建築空間と子どものふるまいに関する考察 -建築の空間形態と基本的動作の関係-
建築教育の視点による教材の現状分析
中等教育における建築教育の現状分析 -公教育の現状と傾向-
初等教育における建築教育の現状分析 -私教育の現状と傾向-
初等教育における建築教育の現状分析 -公教育の現状と傾向-
修士論文
森林資源の普及に向けた公的支援の動向 -木質材料の利用促進に対する補助金-
持続的な森林資源の活用に向けた多角的な考察 -鹿児島県を対象としたマス・カーボン・バリューフローの分析
建設局面における3D樹形点群データの活用可能性の考察 -森林資源に関するアンケート調査を通じて-
Material Flow Analysis and Carbon Footprint of Forest Resources in Japan -A Case Study of Building Material-
学士論文
建築に纏わる森林資源のバリューフロー図作成の試み -日本を対象として-
建築に纏わる森林資源のマテリアルフロー分析 -鹿児島県を対象として-
3D樹形点群データによる森林資源の活用促進に関する基礎的研究 -サプライチェーンの包括的な現状把握とデータの適用可能性の考察-
木質資源の統合的フロー図作成の試み -カナダを対象として-
木質資源の統合的フロー図作成の試み -スウェーデンを対象として-
木質資源の統合的フロー図作成の試み -日本・フィンランド・ドイツを対象として-
木質資源動向に関する基礎的研究 -日本とフィンランドをモデルとして-
修士論文
屋内熱負荷の最適化に基づく建物設計支援ツールの開発 -最適化プログラムの設計変数・制約条件の検証-
屋内熱負荷の最適化に基づく建物設計支援ツールの開発 -最適な建物形状・開口部・外皮性能・建物配置の導出-
環境要素による最適化手法を用いた建物設計支援ツールの開発 -環境最適化問題における発見的多点探索手法の解の探索特性-
環境要素による最適化手法を用いた建物設計支援ツールの開発 -外皮平均熱貫流率を目的関数とした最適な形態と外皮性能、開口部の探索-
学士論文
屋内熱負荷の最適化に基づく建物設計支援ツールの開発 -屋根形状の展開-
屋内熱負荷の最適化に基づく建物設計支援ツールの開発 -周辺建物の影響を加味した最適な建物配置-
環境要素による最適化手法を用いた建物設計支援ツールの開発 -年間冷暖房熱負荷を指標とした開口部の最適化 その2 日射影響の加味-
環境要素による最適化手法を用いた建物設計支援ツールの開発 -年間冷暖房熱負荷を指標とした開口部の最適化-
簡易ライフサイクルアセスメントツールの開発② -建物の資材製造時と運用時の評価-
簡易ライフサイクルアセスメントツールの開発 -建物の資材製造段階と外皮性能の評価-
2024年度卒業生
修士
中島大地・沼口佳代・満丸颯・山田凌大
学士
犬丸祥江・瀬尾真美・中尾優磨・三木悠真
2023年度卒業生
修士
鈴木芹菜・芹口楓出・田島亜槻・星原陸玖
学士
清藤彩音・古川光星・永渕涼佑・山口豊・朱芷萱
2022年度卒業生
修士
永田雄大・中村恭子・滿園大翔・山本望愛
学士
中島大地・沼口佳代・満丸颯・山田凌大
2021年度卒業生
修士
相木雅史・池畑裕貴・柴田未来
長田亮平・吉永賢司・王泓珺
学士
大久保珠恵・境口友清・鈴木芹菜
芹口楓出・田島亜槻・星原陸玖
2020年度卒業生
修士
徳田優志・安長瑠人
学士
岡留虎太郎・杉岡和・永田雄大
中村恭子・松﨑太一・山本望愛
2019年度卒業生
修士
田村健太郎
学士
相木雅史・池畑裕貴・長田亮平・吉永賢司・王泓珺
2018年度卒業生
修士
畠俊典・林田真知・平川美憂
学士
大脇由里加・柴田隆詠・田畑貴士・徳田優志・安長瑠人
2017年度卒業生
学士
赤松麻由・加藤佳輝・田村健太郎・吉原佳代
2016年度卒業生
学士
秦健二・畠俊典・林田真知・平川美憂・溝悠里