制御工学は、物流・エネルギー・ロボティクスなど様々な産業においてシステムの安全性・信頼性を確保するための基盤技術です。私は数理的・理論的な側面から高性能で幅広い適用可能性を持つ制御手法の提案に取り組んでいます。
従来の制御手法では、物理法則に基づきシステムの数理モデルを構成し、モデルに基づいた制御を実施してきました。しかし、近年のシステムの大規模化・複雑化に伴い、数理モデル構成にかかるコストが高くなっています。その一方で、情報技術の発展により、システムのデータは比較的利用しやすい環境にあります。そこで、数理モデルを利用しない、データに基づいた制御(データ駆動型制御)が注目されてきています。現状のデータ駆動型制御の枠組みには、データにノイズが加わると信頼性が損なわれること、事前の実験で十分な量のデータを集める必要があることなどの課題があります。そこで私は、ノイズへの耐性をもち、事前の実験が不要なデータ駆動型制御の枠組みを開発しています。
制御工学、最適化数学、データ駆動型制御, ロバスト制御