東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園種子田研究室ポスドクの増本泰河です。樹木細根の特徴がなぜ種間や種内で異なるのか、その生存戦略に興味があります。主に水分生理学・解剖学的観点からその謎に迫っています。
●興味:樹木細根、水分生理、解剖学的構造、機能形質、水循環
●Interest:Tree fine root, Water relation, Anatomical structure, Functional traits, Water cycle
◆ニュース News
●2026.4.1
東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園の種子田先生の元に移動しました!
●2026.3.21
博士号を取得しました。様々な方に支えられた学生生活でした。ありがとうございました!
●2026.3.5
筆頭論文がTree Physiology誌から公開されました!
本研究では、亜高山帯林における細根水フラックスの標高応答性を細根水ポテンシャルおよび根水透過性の直接測定から明らかにしました!詳細は「最近の出版物」をご覧ください!
Masumoto T, Hashimoto Y, Takahashi K, Makita N. Species-specific fine-root traits dominate the response of root water uptake to elevational gradients in subalpine forests. Tree Physiology, 46:tpaf165, 2026. https://doi.org/10.1093/treephys/tpaf165
◆略歴 Academic Background
2023, 信州大学大学院 総合理工学研究科 理学専攻 牧田研究室(修士課程)
2026, 信州大学大学院 総合医理工学研究科 総合理工学専攻 牧田研究室(博士課程)
2023ー2026 学術振興会特別研究員-DC1
2026-, 東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園 種子田研究室
2026-, 学術振興会特別研究員-PD
◆所属学会 Affiliated academic society
日本森林学会、日本生態学会、根研究学会
◆最近の出版物 Current Publication
Masumoto T, Hashimoto Y, Takahashi K, Makita N. Species-specific fine-root traits dominate the response of root water uptake to elevational gradients in subalpine forests. Tree Physiology, 46:tpaf165, 2026. https://doi.org/10.1093/treephys/tpaf165
#個人的なキーワード: 天然林の成木で測りました、ダケカンバとオオシラビソ、細根の水分生理特性、機能の選択
低温により細根の成長や活性が抑制される亜高山帯林では、水利用可能性が制限されていないにもかかわらず樹木が水ストレスを受ける可能性があります。したがって、樹木が環境変化に対応するためには細根の吸水機能の調節が重要になると考えられます。一方で、亜高山帯では利用できる養分や炭素といった資源が限定されるため、より効率的な機能の調節が重要になります。本研究では、水移動の駆動力となる土壌-細根水ポテンシャル差および、水の通しやすさを示す根水透過性から細根の吸水機能を直接的に評価し、亜高山帯林における標高応答性を明らかにしました。さらに、細根の形態や化学特性との関係を評価することで、樹木がどのように効率的に細根の吸水機能を調節しているのかを明らかにしました。細根の吸水機能は常緑針葉樹と落葉広葉樹で異なる標高応答性を示しました。吸水機能の変化には根組織密度の変化がかかわっており、樹木が細根の形を工夫して効率的に吸水機能を調節していることを示唆できました。一方で、興味深いことに吸水機能は標高勾配に沿って単調に変化するわけではなく、山型や谷型の複雑な変化を示しました。細根の吸水機能の調節が単純な温度だけでなく、複雑な土壌環境や樹木の水分需要への対応に寄与している可能性があります。興味がある方は、ぜひ原文をご確認ください。