田原集荷センター 平成29年3月
当JAは、愛知県の南部、渥美半島に位置し、南は太平洋、西は伊良湖水道、北は三河湾に面している。降水量は年平均1,700㎜前後で晴天率は高い。外洋の暖流の影響で冬季も寒気は比較的弱く年平均気温はおよそ16℃。北西の季節風が平均5m/秒と強く吹くため、降霜日数は極めて少なく秋冬作には大変恵まれた気象条件となっている。 こうした環境の中、昭和43年に豊川用水が通水し灌水設備が完備されて、米、野菜、花き、果樹と多岐にわたる作物が栽培されるようになり、国内有数の一大農業地帯と発展した。
1)経過
昭和20~30年頃にかけて、3地区(東部、田原、大久保)でセルリー栽培が始まる。 当時は地区農協の合併前で、地域間の交流も少なかったが洋菜栽培者が増えるにつれ次第にグループ化、組織化の声が上がるようになる。 昭和30年代末頃には田原町全体で洋菜栽培者は約250名(戸)となる。 昭和41年に町内9農協と1専門農協の合併に伴い、田原町農協洋菜部会が発足した。
部会員は289戸で総販売高で5千万円程度。この時期に団結力、組織力を高めようと規約が作られ、これにより産地としての基盤もつくられることとなる。その規約は補足・訂正され現在まで続いている。
発足当時、部会での推奨作物として、セルリー、レタス、ブロッコリー、カリフラワー、レッドキャベツ、メキャベツ、ニンニクの7作物を取り上げ、部会員はそれぞれの経営に合わせて品目を選択し、栽培を行った。 部会員数は部会発足2年目で539名、3年目には671名と急増した。 昭和43年六連農協が田原町農協に統合され10支部となり、ハウス栽培が始まり、作型が広がる。 昭和45年には部会員数が最高の869名となる。 昭和55年度には新作物としてサニーレタスが導入される。 昭和57年度にはグリーンリーフが導入される。 野菜集団産地育成事業により真空冷却装置(4t、2連式)1基導入がされて鮮度維持出荷によるブランド力を増す。 昭和58年度には中国野菜も導入された。 昭和63年度 野菜高度生産流通システム化事業により真空冷却装置(4t、2連式)1基を追加導入。
中心品目のブロッコリーは部会発足時より出荷形態が立て詰めの小箱(3kg)でスタート。 平成元年には立て詰めの大箱(4kg)が導入された。 平成5年には輸入対策として葉付ブロッコリー(8kg)を全国に先駆け導入。 平成7年の部会発足30周年にブロッコリー大箱の横詰め(5kg)を導入。作業性が格段に向上した横詰めと葉付はその後全国に広がり、ブロッコリー出荷形態の時流となる。
平成13年に渥美半島3町のJAが合併して「JA愛知みなみ」が誕生したが当部会としては他の2町との統合はせず、旧田原町単独での運営を続けて現在に至る。市町村単位でのブロッコリー出荷量は全国一位となっている。
2)平成28年度の洋菜部会
・部会員数 281名
・出荷計画 約160万ケース
・販売計画 約26億円
4)出荷・販売
指定13市場(販売会社)を中心に合計31市場に出荷している。東北・北海道市場2社、京浜各市場13社、中京各市場8社、関西各市場5社、北陸各市場3社。
テレビ番組 鉄腕DASH