合成化学における独自性を見出すには:
私は高等専門学校時代から有機化学研究に取り組み,京都大学・名古屋大学にてさらに研鑽を積んできました.研究を始めた初学の頃から常に意識していたのは,「いかに独自性を生み出すか」という点です.単なる再現や模倣にとどまらず,「プラスα」の視点を持ち続けて取り組むことで,新しい研究の方向性を切り拓くことを心がけてきました.その成果の一つとして,学位研究では「反応集積化手法の開発と反応機構解析」および「新奇環状骨格の構築と物性評価」という二本の柱を軸に据えることができました.これらの研究は,独自性の追求が具体的な成果へとつながった事例です.詳細についてはCVをご覧いただければ幸いですが,こうした経験を通じて培った合成化学の力量こそが,現在の私の研究者としての基盤を形成しています.