鈴木 靖将
令和九年(二〇二七)カレンダー
萬葉暦
筆作編
万葉の光と影
筆作編
万葉の光と影
筆作編
万葉の光と影
表紙 弓削皇子
竹敷の浦廻の黄葉我れ行きて
帰り来るまで散りこすなゆめ
表紙裏 大伴家持
あしひきの山桜花一目だに
君とし見てば我恋ひめやも
1・2月 大伴旅人
我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも
3・4月 高市皇子
山吹の立ちよそひたる山清水汲みに行かめど道の知らなく
5・6月 山上憶良
妹が見し楝の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干なくに
7・8月 鏡王女
神奈備の磐瀬の杜の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋まさる
9・10月 大伴坂上郎女
恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば
11・12月 大伴家持
この雪の消残る時にいざ行かな山橘の実の照るも見む
猛暑の日々から解放されて、初秋の気配にホッとしますね。けれど、私たちが暮らす日本列島は、阪神淡路大震災、東日本大震災後またまた熊本、能登の大地震や千葉の大雨に見舞われ、今さらながら災害が宿命なのだと思わずにはいられません。
私がささやかに発行させていただいています「万葉暦」をご利用くださっている阪神、東北、熊本、能登、千葉方面の皆様には心より御見舞申し上げます。
そんな状況に万葉集の古代人のこの美しい心象世界が、ほんの少しでも心の慰めになってくれれば嬉しいと思っております。
めくるめく心を熱くする恋歌、別離を深々と歌う挽歌などを、万葉の光と影をテーマに、今まで描いた作品の中から秀作を選んで企画しました。また巡ってくる新しい年の日々にお届けできたらと思っております。
ススキが揺れ、萩が咲き、露草が碧い滴のように咲き、葛が大地を緑に覆いつくすように繁茂する日本の大自然はしたたかで豊かに美しいですね。この秋はどうか穏やかな秋の日々でありますように。そして新しき年も穏やかでありますようにと念願しています。どうぞお元気でお過ごしください。
〈お詫び〉中東紛争のため石油関連のビニール袋、インク、印刷製本などが軒並み値上がりです。昨年より100円上がり税込み一冊につき2000円になりますがどうぞお許しください。もう…トランプめ……。
令和八年 九月吉日
日本画家 鈴木靖将