中小企業優遇税制が企業ダイナミクスとマクロ経済に

及ぼす影響の研究


日本学術振興会・科学研究費補助金・基盤研究(B)

研究テーマ

 日本をはじめ多くの国では、中小企業に対し、税の軽減、免除、支払猶予等の優遇措置を与えている。こうした中小企業税制は、中小企業が直面する資金制約を緩和する一方、中小企業が大企業に成長するインセンティブを阻害し、資源配分を非効率化させる可能性もある。そこで本研究では、中小企業税制がミクロの企業ダイナミクス(規模、生産性、利益率、資金調達等の変化及び参入・退出)と企業間の資源配分を通じてマクロ経済に及ぼす影響に関する理論・実証研究を行う。

 これまで日本では、優遇税制の利用に関するミクロデータが限られていたが、本研究では、民間信用調査機関および中小企業庁との密接な協力関係のもと、大規模な企業レベルのデータと優遇税制利用に関するアンケート調査等を組み合わせたデータベースを構築した本邦初の分析を行う。

 中小企業政策の見直しが進められるなか、本研究は、中小企業税制に関するEBPM(エビデンスに基づく政策立案)に資すると期待される。