Day 1|9月19日(金)
開会挨拶
初日の開会にあたり、山﨑長郎先生より本セミナーの趣旨と、グローバルな臨床交流の意義について挨拶がありました。
Technical Diagnostic and Esthetic Approach
DT. Giuseppe Romeo
補綴治療における診断と審美的アプローチの最新技術について、技工士の立場から実践的な講演が行われました。デジタルワークフローと審美要求の調和に関する洞察が共有されました。
The Concept of Veneer Tooth Preparation Design in the Digital Era
大河 雅之 先生
デジタル時代におけるラミネートベニアの形成デザインについて、最小侵襲と長期安定性を両立させるための設計コンセプトが解説されました。
Anterior Restorations Without Compromise: Clinical and Technical Strategies for Non-Invasive Solutions
Dr. Vincenzo Musella
前歯部の審美修復を「妥協なく」実現するための臨床的・技工的戦略について、症例を交えながら詳細に解説がありました。接着技術、材料選択、形成デザイン、プロビジョナルの活用など、非侵襲的治療の具体的なステップが共有されるとともに、イタリアの若手歯科医師の活躍の場を作るための施策など、歯科界の未来への期待、展望も垣間見える講演でした。
施設見学ツアー
講演終了後は、Dr. Musellaの研修施設見学ツアーが実施され、デジタルワークフローと技工・臨床連携の現場を実際に見学しました。参加者全員に著書の献本があり、非常に光栄な瞬間となりました。
Day 2|9月20日(土)
From Orthodontics to Ortho-facial Dentistry
Dr. Renato Cocconi
矯正治療を軸に、顔貌・機能・審美の総合的な調和を目指す「オルソフェイシャルデンティストリー」の最新コンセプトについて解説。診断と治療計画立案の新たな視点が提示されました。
重度の歯周・補綴問題を有する患者に対するインターディシプリナリーマネジメント
山﨑 長郎 先生・鈴木 真名 先生
歯周・補綴領域にまたがる複雑症例に対するインターディシプリナリーアプローチについて、実際の症例を通じて診断・治療計画・チーム医療の重要性が共有されました。
Function and Aesthetic in the Prosthetic Rehabilitation: Looking at the Future
Dr. Domenico Massironi
補綴治療の機能と審美を融合させる次世代のアプローチについて、豊富な臨床経験に基づく講演が行われました。精密補綴の未来像と、それを支える診査診断・設計・実装技術の進化が示されました。また、ITAKA社の最新のデジタルアーティキュレーターについての紹介もあり、今後の補綴修復治療のデジタル化への更なる期待が高まる場となりました。
ガラディナー(Ferrari Museum)
最終日の夜はフェラーリミュージアムにてガラディナーが開催され、Dr. Musellaの厚いホスピタリティのもと、登壇者・参加者間の交流が深まる盛大な会となりました。
本セミナーは、補綴・矯正・審美・歯周の各分野を横断し、最新の科学的知見と臨床技術を共有する場となりました。
特に、「非侵襲的治療」「インターディシプリナリーアプローチ」「デジタル連携」という3つのキーワードが、今後の臨床の方向性として重要であることが改めて確認されました。
普段密に関わることがない他支部の先生方とも交流を深めることができ、SJCDの結束が固まったとともに
SJCDが今後も臨床の質と可能性を高め続けるためにも、世界各国のトップランナーとの交流の有意義さを再認識したサマーセミナーとなりました。