集会長挨拶
集会長挨拶
集会長 大沼亮
歩行と姿勢障害は,神経疾患において日常生活に必須な活動を制限し,社会的役割への参加を困難にする大きな要因です.神経理学療法において,これらの機能の正常化や効率化を図り,可能な限り自立した移動能力を回復させることは,我々理学療法士にとって重要な治療目標です.近年,動作解析や脳機能評価,ウェアラブルデバイス,人工知能(AI),スマートフォンなどの技術革新により,病態の可視化や治療戦略の個別化が進みつつあります.しかし,それらの成果を十分に臨床現場へ応用できているとは言い難く,研究と実践の間にギャップが存在しています.こうした背景を踏まえ,本学術集会では「歩行と姿勢における次世代の神経理学療法~病態の可視化から新たな臨床展開を掴む~」をテーマに掲げ,神経理学療法の新たな可能性を探求します.
加えて,歩行や姿勢障害に対する神経理学療法実践では,疾病特性の応じた病態の可視化と臨床応用が不可欠です.
例えば,脳卒中片麻痺患者とパーキンソン病患者の10m歩行時間が同じであっても,その様相(病態)は全く異なります.ぶん回し歩行やすくみ足など多様な様相を示す患者の病態をどのように捉え,適切な治療介入へとつなげるかが臨床実践の核心といえます.この疾病特性における病態の可視化と臨床応用という点にもフォーカスを当てたいと考えています.
今回のSIGでは,中心的に議論したいことを次の2点とします.
①は歩行と姿勢障害における病態の可視化と具体的な評価方法の立案です.
②は歩行と姿勢障害における具体的介入方法と臨床実践の提案です.
そして,総合討論においては参加型ライブディスカッションとして,リアルタイムに参加者と議論を行える新たな形式を用いて,歩行と姿勢障害における病態の可視化と臨床実践について議論します.また,シンポジウムにおいても脳卒中,パーキンソン病,脊髄小脳変性症と多様な神経疾患における歩行や姿勢をテーマに掲げ,各講師から最新の研究とその臨床実践を提案いただきます.
これらの企画より,会場の皆様と議論を深めることで,歩行と姿勢における視座を高め,神経理学療法の新たな臨床実践の方法を掴み,明日からの臨床に直結する学びの機会になることを期待します.
第8回日本神経理学療法学会SIGs対話型フォーラムin TOKYO
集会長 大沼 亮