図書館は、本を借りるだけじゃない、イマジネーションに満ちた世界。そこには、直感と感性を磨き、インスピレーションを受け取る出会いがあるはず。
小さな頃から、物語を書くのが大好きなハル。いつしか、人型AIのマリと共に、小説家を目指して執筆活動にいそしむように。マリがデータベースをもとに次の展開を提案する。かつては、ワクワクしながら通っていた図書館も、ハルにとっては単なるネタ探しの場所に。
そんなハルを悲しそうに見つめる見習い天使キーナがいた。ハルが生まれたときに与えられた「ひとりひとり生きる意味があるというメッセージを届けるために小説を書く」というミッションをクリアさせるために、ハルを導こうと奮闘する。
果たして、キーナが送るサインは、ハルに届くのか?
AIにとってかわられようとする人間の創造力。デジタル社会に生きる私たちが、子供たちに残していける人間の存在価値を問う物語。
ゴスペルコーラスグループ VOX OF JOY Choir の主宰者である中田理恵子の「ミュージカルをみんなと作りたい!」という思いから、いしかわ県民文化振興基金「文化創造普及事業」の支援を受けて、3年計画で2019年10月に「ゴスペルミュージカルワークショップ」をスタート。ゼロから始まったプロジェクトで集まったメンバーとともに、2022年2月に金沢市民芸術村にて「Sign~天使からの贈り物~」初演を行い、好評を博した。
図書館を舞台とした作品であることから、2022年7月に新規オープンした石川県立図書館の可能性を広げる試みとして、異例の図書館でのミュージカル公演となる。
2022年2月に「Sign」の初演が終わってから約2週間後。「AIとつくった小説」が日本のある文学賞で初入賞しました。人間以外の作品は応募数の4%を占めるそうです。AIが次々とコンテンツを生み出し続ける時代は、未来の話ではなく、現在の話になっています。創作活動は、処理能力が遅い人間がやるよりも、デジタルに任せてしまった方が早いのかもしれません。それでも、私たちはミュージカルをつくり、メッセージを届けたいと思います。
膨大な情報の海の中から必要なものを選び出し、繋ぎ合わせて、創り上げていくという営みは、とても時間とエネルギーを必要とします。人間の直感と感性を信じながら、2019年にVOXゴスペルミュージカルプロジェクトとして始まった取り組みが、図書館を舞台としたミュージカルを生み出し、不思議なご縁で「石川県立図書館」という新しい舞台を与えられ、新しいキャストと共に創り上げます。ぜひ、観劇の前後には図書館で本の世界をお楽しみください。ミュージカルとあわせて、図書館そのものからもインスピレーションを受け取っていただければ幸いです。