月山は 月の山なり 月明かり
藍風(らんふう)
水槽に 藍の満月 浮かびおり
(鶴岡市立加茂水族館のくらげ水槽)
羽黒山 杉に木魂す 秋の蝉
羽黒山 精進料理 秋時雨
白鷹に 棚引く龍か 秋の雲
いただいた ゴーヤでチャンプル 夏じまい
上り月 真半分に 薄青く
斜向かう 開けた窓から 虫の声
台風の 残しし暑さ 夜も冷めず
虫の音の 音楽会で 夜を更かす
白露萌え 花と見紛う 桜の木
山形で あけびの皮を 味わえり
鍋を借り 芋煮会する と言う人
これからは 感性だけで 生きる秋
あれは猫 未明に響く 秋の声
正面が あけびに見えた つばさ号
吾妻山 黒い森似る 秋の川
ワンネスが 俳句の極意 日は中秋
鉄塔に 蔦這い上がる 雲の下
東北へ 向かう車窓は ドイツ風
つばさ号 紅く映えたる 中秋月
夕日受け 金に輝く すすき連
ザクザクと つららの 落ちる 音がする