研究紹介

 パワー半導体デバイスのスイッチング動作を活用するパワーエレクトロニクス技術は、高効率かつきめ細やかな電力変換を実現できるため、脱炭素社会を実現するコアテクノロジーに位置づけられ、産業・家電分野にとどまらず自動車や航空機などにその応用範囲を広げ続けています。また近年、パワーエレクトロニクスと情報通信技術が高度に連携することで、エネルギーの需給を制御するスマートグリッド・マイクログリッドの実現が期待されています。このようなエネルギーシステムと情報通信ネットワークが融合した高度な電力需給システムは、5G技術の導入などに伴い、ますます巨大化・複雑化していくことが予想されます。一方、パワー半導体デバイスの高速化に伴う電磁ノイズ発生量(エミッション)の増加、電子回路のマイクロエレクトロニクス化・低電圧化に伴うノイズ耐量(イミュニティ)の低下に伴い、パワーエレクトロニクス機器と情報通信機器間における電磁両立性(EMC)の重要性が高まり続けています。


 このような背景を踏まえて、パワーエレクトロニクス機器に起因する電磁障害(EMI)を防ぐことを目的として、大きく以下の3つの分野で研究を展開しています。


 パワーエレクトロニクス機器のノイズ発生メカニズムの解明


 新しいノイズ抑制技術の提案


 フィルタ用受動素子の高性能化