ウミナナフシ類は,細長いからだや,後端の花のように広がった尾扇という構造で特徴付けられる等脚目の小型甲殻類です.一般にかっこよさと可愛さを兼ね備えており,種によってその割合は異なります(白木 私信).例えば,下に示しているサンカクアシタラズウミナナフシなんかは「かっこいい」の割合が高いですが,モヨウウミナナフシ類では「かわいい」の割合が非常に高いです.
以下に研究で扱った種の一部を載せています.
Mesanthura miyakoensis Nunomura, 1979
本種は宮古島から新種記載されました(Nunomura 1979)。高知県の個体を用いて、発生段階を通じた模様の変化を追跡し、本種の属するモヨウウミナナフシ属における模様の分類形質としての有用性を調べました(Shiraki &Kakui 2024)。また、トポタイプ標本に基づくDNAバーコーディングと、高知県の個体に基づく再記載を行いました(Shiraki &Kakui 2025)。八重山諸島の黒島から高知県まで、比較的広い分布を示します(Shiraki &Kakui 2025)。
Deltanthura palpus Shiraki, Shimomura & Kakui, 2022
熊野灘の水深 805–852 m から新属新種として記載しました(Shiraki et al. 2022)。現在は熊野灘の水深 739–852 m から報告があります(木村ほか 2024; Shiraki et al. 2026)。また、Shiraki et al. (2026)では定義形質の改訂を行いました。
Paranthura oriens Shiraki, Yoshida & Kakui, 2024
千葉県館山の水深 5–19.8 m から新種記載しました(Shiraki et al. 2024)。
Cruranthura viridis Shiraki & Kakui, 2024
伊良部島の水深 10–20 m から新種として記載しました(Shiraki & Kakui 2024)。
Kupellonura tamago Shiraki, Shimomura & Kakui, 2022
房総半島沖の水深 407–445 m から新種として記載しました(Shiraki et al. 2022)。熊野灘の水深 186–548 m からも報告があります(木村ほか 2024)。
Expanathura monile Shiraki, Shimomura & Kakui, 2021
西表島の水深 14 m から新種として記載しました(Shiraki et al. 2021)。
Cyathura muromiensis Nunomura, 1974
本種は福岡県室見川の干潟から新種記載されました(Nunomura 1974)。タイプ産地の個体群には、寄生率96.3%と、非常に多くの吸虫類のメタセルカリア幼生が寄生していることが分かりました(Shiraki & Kakui 2025)。
Paranthura japonica Richardson, 1909
北海道から九州まで幅広く分布することが知られていました本種を、沖縄県からも報告しました(白木・角井 2025)。また、採餌実験の結果、様々な甲殻類を捕食することが明らかになりました(Shiraki &Kakui 2022)。
Mesanthura sol Shiraki &Kakui, 2025
伊良部島の水深 10–15 m と沖縄県本島の水深 1 m から新種として記載しました(Shiraki & Kakui 2025)。
フィリピンのカミギン島の水深 0–2 m から新種として記載しました(Shiraki et al. 2025)。
フィリピンのミンダナオ東部の水深 3–6 m から新種として記載しました(Shiraki et al. 2025)。