九州大学大学院総合理工学研究院・助教
実験核物理・核データ測定
原子核に大きなエネルギーを与えると、不安定な「高励起状態」になります。原子核は余分なエネルギーを外へ逃がすため、さまざまな粒子を放出しながら、より安定した状態へ移っていきます。
このとき放出されるのは、原子核を構成する陽子や中性子だけではありません。複数の陽子や中性子がひとまとまりになった「クラスター」が、一つの粒子として放出されることがあります。
クラスターは、原子核の中にもともと存在していたのでしょうか。それとも、原子核が壊れていく過程でつくられたのでしょうか。また、どのような条件でクラスターの放出が起こるのでしょうか。その仕組みには、現在も多くの謎が残されています。
この謎を解く鍵となるのが、高励起状態にある原子核から放出されるクラスターの観測です。なかでも低エネルギーのクラスターは、物質の中でエネルギーを失いやすく、短い距離で止まってしまうため、検出や種類の判別が難しく、これまで得られた実験データは限られています。
私たちは、こうした粒子を見分ける測定技術を用いて、これまで捉えることが難しかった粒子放出を観測し、高励起原子核が壊れる仕組みの解明に取り組んでいます。
湘南国際村センターで開催された学術変革領域研究(A)「負ミュオン科学の新地平(μ-知融合)」領域会議において、「ミューオン核反応測定と検出器開発」というタイトルで口頭発表しました。
https://kds.kek.jp/event/60165/
川瀬が研究代表者を務める研究課題「陽子捕獲反応で探るサブクーロン2α協調崩壊の可能性」が採択されました。
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-26K22336/
学術変革領域(A) 「負ミュオン科学の新地平:物質・宇宙・人類をつなぐ知の融合」(領域代表者:下村浩一郎(KEK))の計画研究「負ミュオン不安定核物理」(研究代表者:高峰愛子(東京科学大学))が採択されました。川瀬は研究分担者として参画します。
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PLANNED-26H00413/
川瀬が共著として関わった陽子ノックアウト反応のスピン非対称性に関する新しい観測量を提案する理論論文がPhysical Review Cから出版されました。https://journals.aps.org/prc/abstract/10.1103/gv3x-8zj6
川瀬がPIとして提案した、銅原子核におけるミューオン原子核捕獲反応から放出される荷電粒子のエネルギースペクトル測定実験をJ-PARC MLF MUSE D2ビームラインで実施しました。
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