本書は, 4 つの主要な章に分かれている. 第1 章では, ダイバージェンス尺度の基本概念
を紹介し, よく知られているKullback-Leibler ダイバージェンスとその限界について述べ
る. その後, α, β, γ-ダイバージェンスなどのパワーダイバージェンスを詳細に探求し, それ
らの独自の特性と利点を強調する. 第2 章では, 回帰モデルに対する最小ダイバージェン
ス法を探求し, これらの方法が統計的推定においてロバスト性と効率性を向上させる方法
を示す. 第3 章では, これらの方法をポアソン点過程に拡張し, 種分布やその他の空間現象
をモデル化するためのロバストな枠組みを提供することに重点を置いて, 特に生態学的応
用に焦点を当てる. 最後に, 第4 章では, ボルツマンマシン, AdaBoost, アクティブラーニン
グなどの機械学習におけるダイバージェンス尺度の利用を探求し, モデルのロバスト性と
パフォーマンスを向上させるこれらの尺度の実際的な利点を強調する.