UNIONS データを用いたダストに覆われた銀河の広域探査と多波長 SED 解析 (吉田猛人, 愛媛大学)

これまでの研究から、巨大ブラックホールとその母銀河は共進化していると考えられているが、その共進化過程は未だ謎が多い。
そこで我々は共進化の最も激しい共進化段階にあると思われるダストに覆われた銀河 (dust-obscured galaxies; DOGs) に注目した。
本研究では、UNIONS 可視光データとWISE 中間赤外線データを組み合わせることで、3743 天体の DOGs を発見した。
さらに UKIDSS 近赤外線データを組み合わせ、57 天体に対して可視光・近赤外線・中間赤外線の多波長 SED 解析を行った。
この解析過程で、近赤外付近で折れ曲がった power-law (PL) を示す新種の DOGs (Broken-PL DOGs) を 18 天体発見した。
我々は、この Broken-PL DOGs の特徴を説明する2つのシナリオを考案した: Broken-PL DOGs は 1) ダストに覆われた星形成銀河からダストに覆われた AGN への進化段階過渡期 (transition phase scenario)、もしくは 2) ダストに覆われた Type-2 AGN (viewing angle scenario) である 。今回の発表では、Broken-PL DOGs を含む 57 天体の DOGs に対する SED 解析過程を報告する。