大学院終了後,高等学校の社会科教員として18年勤務し,その後広島大学で学校臨床の教員を22年務めました。もともとは社会科教員で心理学やカウンセリングと無縁だったのですが,かなり大変な学校にいた時期もあり,「教育相談・生徒指導を何とかしなくてはいけない」という思いで心理学を学び始めました。途中で大学院に入りなおしたりしながら,教育相談の実践と研究に取り組んできました。ですので私の関心は,「学問的に究める」ことにはなく,「実践をよくする」ことにあります。そのことに40年間取り組んできたわけです。
なお,現在は,広島大学名誉教授,公益社団法人学校教育開発研究所代表理事です。日本学校教育相談学会の元会長,日本ピアサポート学会常任理事,など他にもいろいろやっています。現在の生徒指導提要の執筆者の一人でもあります。詳細はホームの中に「プロフィール」が張り付けてあります。そこに略歴やここに記載していない仕事,著作などを記載してありますので,そちらをご覧ください
誰とでも楽しく付き合えるパーソナリティだと思います。昔は酒豪でしたが,健康のため,今はぼちぼちです。ちなみにワイン派ですが,なんでも飲みます。趣味は魚釣り。退職して行く機会が増えることを期待してワクワクしている最中。スポーツはやるのも観るのも好きです。やるのが好きなのは,バスケット,スキー,テニス。観るのはサッカー,野球,バスケ。これも退職して観に行く機会が増えるのが楽しみです。Facebookへのリンクがサイドバーにありますので,よろしければのぞいてみて下さい。
各種のご依頼は,ホーム上のスケジュール表を参考にして「講演・研修申込書」を作成し,メールに添付の上お願い致します。なお,「申込書」の記入についてはわかる範囲で構いません。
確かにそういう時期もありましたが,大学教員を辞めたので,以前より時間はとれるようになっています。研修やワークショップの依頼は,ホーム上のスケジュール表を参考にして候補日を多く列記しておくと,うまくいくかもしれません。なお,「研修を依頼したのにホームのスケジュール表に載っていない」というときは,たぶん私のミスです(゚Д゚;)。ダブルブッキングになるとかなりまずいので,すみませんが,早めに再度ご連絡ください。
特に依頼が多いのは,「包括的生徒指導・教育相談」「アセスとB-SAFE」「ピア・サポート」「社会性と情動の学習」「UDL-ユニバーサルデザインの学習」「個別最適な学びと協同学習を統合する」「いじめのない学校を創る-修復的正義とPBIS」「ブリーフカウンセリング」「発達障害の子どもの理解と対応」「不登校の理解と対応」などです。理論研修では交流分析を得意とし,これだけで4日間コースの研修を組むことも可能です。管理職のための研修も近年は非常に増えてきています。保護者対象の講演会では,「発達障害の子どもの理解と対応」「不登校の理解と対応」や「子育ての3つのポイント」「思春期の子どもへの親のかかわり方」など,要望に合わせた講演をします。対象人数も,4~5人の小グループから1000人規模の講演に対応します。
ご心配はもっとですが,実際に受講していただければ,その理由が分かると思います。理論を語るだけではなく,実技も演習も入りますし,実際の場面でどう使えばいいのかといったことのディスカッションなども含みます。ですから時間がかかります。「それでも長い…」と思われるかもしれませんが,栗原は広島大学で2000人を超える大学教員の中でNo.1の授業評価を何年も続けて受けており,教育部門における学長賞を受賞したこともあります。実際の受講生アンケートでも,「あっという間だった」「もっと聞きたかった」という結果が本当に多いです。
なお,何らかの大会や学会などの場合には時間の融通もきかない場合もあるでしょうから,1時間とか1時間半の講演等もお引き受けしないわけではありません。
マルチレベルアプローチ(MLA)は栗原慎二の造語です。私は 2011~2014年に「日本版包括的アプローチと生徒指導・教育相談研修プログラムの開発的研究」で科学研究費(基盤研究B)を取得し,世界の生徒指導を研究しました。こうした研究を通じて,「日本には生徒指導モデルといえるものが実際にはない」「欧米のモデルは文化,学校環境,学校リソースの違いが大きく,そのままでは援用不可能」ということに帰着し,日本版の包括的生徒指導・教育相談モデルとして考案したものです。学校心理学のモデルと類似しているとか,違いが判らないといわれることがありますが,学校心理学でよく使われるモデルは子供を支援ニーズの程度によって3層に分け,対応する必要性を述べるモデルです。これは世界標準のもであるであり,大いに役に立つものです。実は私も高校教師の時にこの学校心理学モデルを学んだのですが,実際の対応そのものは,「子供に応じて」「実態に応じて」ということになり,「教師のなすべきこと」に行きつくには,さらにいろいろ考える必要があります。つまり,「学校心理学では子供を支援ニーズの大きさで3層化するのはわかったけど,つまりは大変な子には支援を手厚くってことでしょ?それはわかるし当然だと思う。わからないのは,何を目的に,何をしたらいいかなんじゃないのかな?」ってなったわけです。私には,学校心理学の基本構造を理解したとしても,支援の具体がブラックボックスに感じられたわけです。
MLAはこうした問題意識から生まれました。MLAでは,一次的生徒指導・教育相談は,すべての児童生徒を対象に,愛着,スキル,価値観といったものを育てる,二次的生徒指導・教育相談は,これもすべての児童生徒を対象に,人間関係や思いやり,協働問題解決能力,共同体感覚などを育てる,つまり子ども集団を育てる,三次的生徒指導・教育相談は一次的二次的生徒指導・教育相談ではカバーしきれない児童生徒を対象に,個別的にかかわって育て上げる,という観点で考えます。つまり,学校心理学と比べてMLAは,教師の教育活動の視点で考えるということが大きく違います。特徴的なところを指摘すれば,たとえばMLAでは二次的生徒指導・教育相談で「子ども集団の育成」を目標にしますので,かかわりあう活動が極めて重要になります。そのためピア・サポートや協同学習は,MLAでは重要な位置を占めます。また,学校心理学では1次的支援の対象者が70%前後,二次的支援対象者が20~25%,三次的支援対象者が5%前後と考えます。しかし,MLAでは一次と二次の対象者はともに100%です。三次的生徒指導・教育相談の対象者は,学習や心理,対人関係などの領域で個別のケアが必要な児童生徒を全部合算すると考えるとおそらくは50%を超えるかもしれないと考えます。さらに言えば,学校心理学は「ケアの体系」と言えるかもしれませんが,MLAは「教育の体系」です。
なお,学校心理学とMLAは覇権を争っているわけではありません^^;。学校心理学は子供の援助ニーズという視点から考えますし,MLAは教師の教育活動という視点から考えます。両方の視点から考えることができるようになると,生徒指導・教育相談がより立体的にみえるようになるというのが私の実感です。
一般的な民間研修では、中堅講師の場合で1時間当たり3万円、経験のある講師の場合は1時間5-10万円、署名人になると20万以上が相場とのことですが、教育業界の謝礼金は非常に低いのはご存じのとおりです。SKs-Freieの場合ですが、講演・研修を主催する団体によって経済力が大きく違うことや、対象人数や研修回数、会の位置づけなどを考慮させていただくために相談という形をとっていますが、基準としてはその3分の2としています。こうしたことをご勘案の上「講演・研修申込書」にご記入いただき、メール添付で送付していただければ幸いです。状況を勘案してお返事いたします。
行政の場合は年間5日間とか10日間といった形で事業化し事業委託という形で予算を組んでくださるケース、複数の研修会(例えば、生徒指導主事研修、教育相談研修、年次研修など)を抱き合わせで実施することで予算確保するケースなどが多いです。また、学校主催の場合は、3校集まれば予算が3倍になりますので中学校区での合同研修会とするケース、校内研修ではありますが広く宣伝をして参加者から資料代を参加者から集めるケースなどがあります。
現実的な予算の縛りもありますし、「できるだけ安い費用で呼びたい」という考え方はわかります。一方で、たとえば3時間の研修を実施するには、事前のやり取りを含めて3時間以上の準備がかかります。対面の場合は移動にかかる時間などもばかになりません。さらに、「謝礼金=私に対する評価」という面もあります。そうしたこともご理解いただけるとありがたいです。