Works - Selected
Sculpture|Painting|Drawing|Collaboration
あわい -The Touch| Archive
あわい -The Touch シリーズ
2025-
202525.7×18.2×1.5cm
和紙にアクリル、木製パネル
右/参照元画像:「」月岡雪鼎、手足のトリミング資料
あわい -The Touch:
「あわい -The Touch」シリーズは、2013年に春画の手足と出会い、手足の交錯する姿に衝撃を受けた体験から始まった。当時、春画に描かれた手足をトリミングして資料としてまとめたことが、このシリーズの出発点となっている。その資料を自身の視点に引き上げ、再構成することで、作品として展開している。
兼子は「関係」をテーマに春画の手足を引用し、手足の結びつきを「関係」のメタファーとして扱っている。「関係」とは、人と人のつながりにとどまらず、あらゆる存在や現象を相互に結びつけ、この世界を生成する働きをもつ。
タイトルの「あわい」は「間」を意味する古語であり、単なる隙間ではなく、二つのものが重なり合い、触れ合う領域を指す。このシリーズでは、世界が生成されるイメージを「結びつきの作用」として観察し、手足の「触れ」を通じて象徴的に表現している。
「あわい -The Touch」は、世界を形づくる最小単位を春画の手足で示す試みであり、同時に作家自身にとっての資料であり続ける作品群である。
© KANEKO SHINICHI