第四十八號

特集「雪」 2021年3月


◇作品解説


本號の表紙を飾るのは、「光の彫刻」シリーズの一作品『港 No.2』(1967,愛知県美術館蔵)です。本作品も、『Cの関係』のコンセプトを発展させて制作されました。山口はこれらの作品群の特徴として、「いくつかのユニットに分かれているため、これらの組み合わせ方によって、彫刻としてのイメージに変化がうまれる」*ことを挙げています。そこには、厳密に作り込まれた従来の芸術作品にはない、一種の軽やかさのようなものが感じられます。周囲の状況に応じて臨機応変に形を変えるこれらのユニークな彫刻作品は、山口が提唱する「環境芸術」の一つの理想形とも言えるのではないでしょうか。


―― 誌面上にも、山﨑均氏の寄稿による作品解説が掲載されています。



*『インテリア 第266号』,インテリア出版,1981年,p.40